阪急阪神エクスプレス、「南アジア開発室」を開設

(インド)

ニューデリー発

2021年10月27日

阪急阪神エクスプレスは10月1日、首都ニューデリー近郊のグルガオンに「南アジア開発室」を開設した(同社プレスリリースPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。同室は、シンガポール現地法人の阪急阪神エクスプレス・サウスイースト・アジア(以下、HHESA)のインド支店に位置付けられ、インドだけでなくスリランカ、バングラデシュ、パキスタンなど周辺国を含む、南アジアにおける物流ロジスティクスにかかる情報収集ならびに開発拠点となる予定だ。

写真 南アジア開発室入居ビル(阪神エクスプレス提供)

南アジア開発室入居ビル(阪神エクスプレス提供)

阪急阪神エクスプレスは、「新型コロナ禍」でも「止めない物流」をスローガンとして、グループ全体で安定したグローバルサプライチェーンの構築に努めている。インド国内では、既に2009年3月から現地法人の阪急阪神エクスプレス・インディアが事業を展開しており、現在の国内拠点数は12カ所に上る。他方、2015年4月に設立されたHHESAは、主にインドを含むASEAN地域内の現地法人に対する経営管理指導や地域内の市場開発などを図る地域統括会社だ。今回がHHESAにとって初の拠点展開となる。

今回新たに設立した南アジア開発室を通じて、従来、インド国内で取り扱ってきた自動車や電子機器だけでなく、ジェネリックを中心とする医薬品や伝統的な繊維関連など新しい分野での輸送体制の構築を図る方針だ。インド国内ではまだ浸透していないコールドチェーン(低温物流体系)の開発にも着手し、新たな輸送サービスの構築に取り組むとしている。また、インド国内地方都市でのグループ拠点設置による規模拡大と、品質向上に向けたグループ内提言活動も担う。

インドを含む海外輸送では、日本・インド間のみならず、アジアと全世界を結ぶ物流網の体制強化を図る。陸上輸送においては、インドと周辺国間のコネクティビティ強化に向けた陸送事業の可能性を探る一方、海上輸送においては、従来の日本やアジア方面に加えて、欧米や中東アフリカ方面とのサービス拡大を目指すという。同社は2018年4月に南アフリカ共和国のフォワーダーを現地法人化しており(同社プレスリリースPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))、アフリカに物流基盤がある強みを生かしたい考えだ。

(高際晃平)

(インド)

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