第11回世界木材・木製品貿易大会が南寧市で開催

(中国)

北京発

2021年10月04日

中国木材木製品流通協会と広西チワン族自治区林業局は9月15日、第11回世界木材・木製品貿易大会を南寧市で開催した。同大会では、世界の木材流通状況を分析し、木材サプライチェーンの最適化について討論が行われた。中国国家林業草原局、広西チワン族自治区林業局、中国木材関連企業のほか、在中国ニュージーランド大使館、在中国米国大使館、在中国日本大使館、ジェトロなどの政府関連機関を含めて約400人が出席した。

中国木材木製品流通協会の李佳峰会長は「中国は木材の輸出入で世界第1となっており、中国は、世界第2の木材の消費市場でもある。中国国内の木材に対する需要は旺盛で、輸入木材への依存度が高まっており、持続可能な経営、多品種集約栽培や人工林の栽培技術などの取り組みを強化するほか、海外からの安定的な木材の輸入の促進に努めている」と報告した。また、「今後、木材の機能性改良、人工林木材の品質と使用耐久性の向上などに取り組む」と述べた。

大会では、2020年の中国の原木と製材の輸入の合計が前年比5.2%減の約1億立方メートル、輸入額は11.8%減の160億ドルだったと報告された。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、世界からの輸入量は減少したものの、アジアと欧州からの輸入量は増加しており、主な要因として、日本からのスギ原木輸入量が前年比23.2%増加したことや、欧州から同地域での虫害の発生を受け価格の低下した木材が大量に輸入されたためとみられている。

ただ、国別で比較した場合には、2020年、ニュージーランドやドイツから中国にそれぞれ1,000万立方メートル超の木材が輸入されたのに対し、日本からの輸入量はわずか110万立方メートルにとどまっており、中国国内での日本産木材に対する認知度を高める必要が指摘されている。

ちなみに、木材輸入価格は、2020年は比較的安定していたが、2021年に入り需給バランスがとれておらず、輸送と港の作業能力が低下したため、現在、急速に価格が上昇している状況にある。

ジェトロ北京事務所は、本大会のサイドイベントとして、中国木材木製品流通協会と共催で、9月14日に日本木材紹介セミナーを開催し、中国木材業界関係者約100人がセミナーに参加した。参加者からは「日本産製材の取り扱いを検討したい」「日本産木材に対する理解をさらに深めたい」との声があった。

写真 大会の様子(ジェトロ撮影)

大会の様子(ジェトロ撮影)

(朱琳)

(中国)

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