政府が住宅暖房の低炭素化に向け「熱・建物戦略」発表

(英国)

ロンドン発

2021年10月25日

英国政府は10月18日、住宅暖房などの低炭素化を目指す「熱・建物戦略PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(添付資料表参照)。同戦略により、政府は、英国の化石燃料への依存度と世界的なガス価格高騰へのリスクを大幅に低減するとともに、2035年までに国内で最大24万人の雇用を創出するとした。

政府は今後10年間、古いボイラーを交換する際に、低炭素な暖房システムを容易に公正かつ安価に導入できるようにする。同戦略では、熱・建物の脱炭素化のため2022年から2025年までの期間に新たに39億ポンド(約6,123億円、1ポンド=約157円)を投資する。このうち、2022年4月から3年間で4億5,000万ポンドを拠出し、住宅にヒートポンプなどより効率的で低炭素な暖房システムを導入する世帯を支援する。政府は、これによってヒートポンプの導入費用は従来のガスボイラーを導入した場合と同等の費用になるとしている。

また、政府と産業界は、2030年までにヒートポンプの購入・運用コストを化石燃料ボイラーと同等にするという目標達成に向けて協力するとしている。これを通じ、政府は、英国の全ての住宅に設置される暖房システムにつき、2035年までにヒートポンプなどの低炭素技術を使用するか、クリーンな水素対応ボイラーなど新技術を導入するという新たな目標を後押しする。

英国の建物内の熱利用は二酸化炭素(CO2)排出の最大要因の1つで、国全体のCO2排出量の21%を占める。政府は、この戦略は化石燃料ボイラーの撤去を強制するものではなく、古いガスボイラーを交換する際に消費者が環境に配慮した選択をしやすくすることで、2035年までに手頃な価格で実用的かつ公正な方法で、化石燃料ボイラーから徐々に脱却することを目指すものであるとしている。

水素を住宅の暖房に使用することについては現在、安全性と実現性、費用対効果を測るための試験が行われており、政府は2026年までに住宅用暖房における水素の役割について決定するとしている。

(宮口祐貴)

(英国)

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