オーストラリア・インド間の新たな包括的戦略的パートナーシップ(CSP)発表

(オーストラリア、インド)

アジア大洋州課

2020年06月12日

オーストラリアのスコット・モリソン首相とインドのナレンドラ・モディ首相は6月4日、両国間の新たな「包括的戦略的パートナーシップ(CSP)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。CSPは、インドの「インド太平洋ビジョン」(注1)を通じたインド太平洋地域への関与の強化と、オーストラリアのインド太平洋への働きかけと南太平洋への太平洋ステップ・アップ(注2)に沿うことを目的とし、2国間を新たなレベルの協力関係に引き上げるものだ。また、新型コロナウイルス感染など前例のない国際的な課題が発生した際に両国が協力するという強い決意を反映した枠組みとなっている。

CSPの下、両国は(1)科学・技術・研究協力の強化、(2)「開かれた、包括的なインド太平洋」に向けた海洋協力、(3)経済協力、(4)地域・多国間協力、(5)イノベーション・起業家精神などの分野について取り決めた。主な内容は以下のとおり。

(1)科学・技術・研究協力の強化

(2)開かれた、包括的なインド太平洋に向けた海洋協力

(3)経済協力

  • 2国間の包括的経済協力協定(CECA)に再び取り組む
  • ルールに基づく多国間貿易システムの構築に向けて約束を共有し、経済成長、開発、貿易自由化、開かれた市場を促進するルールの保護・形成に向けて協力する(WTOの改革と強化を含む)

(注1)インド政府によるインド太平洋地域における展望。同地域の国々に対して、尊厳に基づく自由で開かれた包括的秩序と、国際的ルールや法律の順守、対話を通じて、全ての国の主権と領土保全、紛争の平和的解決を求めることなどを示している。

(注2)太平洋島しょ国における気候変動や災害への対策強化、持続可能な経済成長、健康や教育などを促進することを目的に、オーストラリア政府が打ち出した政策。2016年から外交政策の最優先事項の1つに掲げてきた。

(坂本未侑)

(オーストラリア、インド)

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