米西海岸の日系企業、6割強が半導体不足でマイナスの影響受ける

(米国、日本)

ロサンゼルス発

2021年10月13日

世界的な半導体不足によって、自動車産業をはじめ幅広い産業で深刻な影響がみられる中、ジェトロは米国の西海岸に所在する日系企業を中心に、半導体不足が米国事業に与える影響に関するアンケート調査(注1)を実施した。

半導体不足が米国事業に及ぼす影響について、「マイナスの影響」と回答した企業は61.3%に達した。とりわけ半導体関連以外の企業(注2)でマイナスの影響が顕著で、それらの企業では「マイナスの影響」との回答が68.7%に上る一方、「プラスの影響」は1.2%とわずかだった。

半導体不足の具体的なマイナスの影響を尋ねたところ、「部品や製品の納品遅延」が63.2%、次いで「半導体を使った部品や商品を調達できないことによる製造や販売の減少」が51.5%だった。

半導体関連以外の企業では、「部品や製品の納品遅延」が61.4%、「半導体を使った部品や製品を調達できないことによる製造や販売の減少」が56.1%と続き、5割を超える企業が直接的あるいは間接的に製造や販売の減少の影響を受けていることが分かった。

企業のコメントをみると、半導体を調達できないことで、製品開発やプロジェクトの遅れを指摘する声が複数聞かれた。

具体的な対策については、「部品や製品の納品を延長」が47.0%で最も高かった。「部品や製品の価格上昇を顧客に転嫁」との回答は、半導体関連企業では54.5%に上ったが、半導体関連以外の企業では34.5%にとどまり、後者では価格転嫁が思うように進んでいないことも示された。

アンケート調査では、半導体不足が解消される時期も聞いており、2022年後半以降を見込んでいる企業は46.8%に達した。「2023年以降」とする回答割合は、半導体関連以外の企業は12.0%にとどまる一方、半導体関連企業は32.1%に上り、半導体関連企業は総じて解消時期の後ずれを想定していることも明らかとなった。

アンケート調査結果をまとめた報告書はジェトロ・ウェブサイトPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で閲覧可能。

(注1)調査期間は9月23~29日。111社から有効回答を得た。

(注2)アンケートの集計上、主な事業内容を「半導体の製造・販売」「半導体関連の装置の製造・販売」「半導体関連の部材の製造・販売」「半導体関連のサービスの提供」と回答した企業を「半導体関連企業」と分類し、それ以外の企業は「半導体関連以外の企業」としている。

(永田光)

(米国、日本)

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