新型コロナ対策で「調整された警戒レベル1」へ引き下げ
(南アフリカ共和国)
ヨハネスブルク発
2021年10月04日
南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は9月30日、新型コロナウイルス対策の進捗にかかる国民演説で、「調整された警戒レベル2」から「調整された警戒レベル1」に引き下げることを発表した。26日には国立感染症研究所(NICD)が感染第3波の収束を宣言しており、前回の引き下げ(2021年9月17日記事参照)から約半月で警戒レベルを最低水準にまでにした。直近 1 週間の 1 日当たりの新規感染者数は約1,500人(10月1日現在)。
10月1日以降の主な制限緩和内容は以下のとおり(詳細は官報に掲載)。
- 夜間外出禁止時間を午前0時~午前4時に1時間短縮(これまでは午後11時~翌日午前4時)
- 屋内では最大750人、屋外では最大2,000人までの集会を許可(これまでは屋内上限250人、屋外上限500人)
- レストラン、バー、フィットネスセンターなどの施設は午後11時まで営業を許可(これまでは午後10時まで)
- レストランやバーでの酒類提供は午後11時まで(これまでは午後10時まで)
- 店頭での酒類販売で曜日制限を撤廃(これまでは月曜~金曜のみ)
今回の演説で、ラマポーザ大統領は次の3つの事項に言及した。1つ目は「ワクチン接種キャンペーン」の開始だ。政府は、接種率が目標の水準に達していないことを踏まえ、週末に予防接種センターを開設する予定だ。政治家などが地域に出向いて接種を推奨することで、国民のワクチン接種を一気に加速させる狙いがある。なお、南アでは成人人口の5分の1がワクチン接種を完了している。2つ目に、保健省によるワクチン接種証明書の発行を近く開始すると述べた。ただ、具体的な開始日には触れていない。3つ目に、英国との経済面の関係性について述べた。現在、南アは英国の入国制限にかかるレッドリストに掲載されており、9月にドイツはレッドリストから南アを外したが、英国の見直しは実現しなかった。ラマポーザ大統領は英国のボリス・ジョンソン首相と電話協議したことに触れ、近いうちにレッドリストから外れることに期待感を示した。
(堀内千浪)
(南アフリカ共和国)
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