先進国・地域での政治、経済、ヘルスケア改革への意識、米シンクタンク調査

(米国、カナダ、ベルギー、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、スペイン、スウェ―デン、英国、オーストラリア、日本、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾)

米州課

2021年10月27日

米国シンクタンク、ピュー・リサーチ・センターは10月21日、先進国・地域における政治、経済、ヘルスケア改革などに係る意識調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注1)を発表した。

それによれば、先進国・地域で政治、経済、ヘルスケアシステムの抜本的あるいは大幅な改革が必要とする人の割合は、政治では、イタリア(89%)、スペイン(86%)、米国(85%)、韓国(84%)、ギリシャ(80%)、経済では、イタリア(85%)、ギリシャ(84%)、スペイン(83%)、韓国(72%)、米国、フランス(いずれも66%)、ヘルスケアでは、ギリシャ(77%)、米国(76%)、イタリア(59%)、フランス(55%)、スペイン、日本(いずれも53%)の順に高かった。

また、自国・地域の民主主義の在り方の満足度を合わせて分析したところ、「民主主義の満足度が比較的低く、(政治・経済・ヘルスケアの)改革への欲求が比較的高い(注2)」傾向がみられたのは、米国、フランス、ギリシャ、イタリア、スペイン、日本だった。「民主主義の満足度が比較的高く、改革への欲求が比較的低い(注3)」のは、カナダ、オランダ、シンガポール、スウェ―デン、オーストラリア、ニュージーランド。いずれにも属さないのは、ベルギー、ドイツ、英国、韓国、台湾だった。

経済見通しとの関連性

各国・地域で悲観的な経済見通しを持つ人は、楽観的な経済見通しを持つ人より政治改革をより強く望むという傾向がみられた。英国では、悲観的な経済見通しを持つ人で政治改革を強く望む人は61%、楽観的な経済見通しを持つ人で政治改革を強く望む人は34%と27ポイントの差があった。オーストラリア(26ポイント差)、台湾(24ポイント差)、カナダ(23ポイント差)、ドイツ、オランダ(いずれも21ポイント差)、ギリシャ(20ポイント差)でもその傾向は強かった。

また、政治改革を望みながらも、政治改革ができると確信していないとする人の割合は、イタリア(73%)、スペイン(64%)、ギリシャ、韓国、米国(いずれも58%)、フランス(54%)、ベルギー(50%)、日本(48%)などで高かった。

(注1)実施時期は、2021年3月12日~5月26日。対象者は、カナダ、ベルギー、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、スペイン、スウェ―デン、英国、オーストラリア、日本、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾の成人1万6,254人。米国では、実施時期が2021年2月1~7日、対象者は成人2,596人。

(注2)自国・地域の民主主義の在り方に満足している人が全体の半数以下で、改革を望む人は半数以上。

(注3)自国・地域の民主主義の在り方に満足している人が全体の半数以上で、改革を望む人は半数以下。

(松岡智恵子)

(米国、カナダ、ベルギー、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、スペイン、スウェ―デン、英国、オーストラリア、日本、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾)

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