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2021年上半期の貧困率は40.6%で微減も、極貧層が拡大

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2021年10月07日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は9月30日、世帯アンケート調査(EPH)の結果を発表した。これによると、2021年上半期の貧困率は40.6%で前期比1.4ポイント減、前年同期比0.3ポイント減だった。うち、極貧層は10.7%で前期比、前年同期比ともに0.2ポイント増と悪化した(添付資料図参照)。INDECが半期ごとに実施しているEPHは国内31都市(人口約2,890万人)を対象にしており、今回の調査では、貧困人口が約1,170万人、うち極貧人口は310万人だった。

貧困層とは、基礎的食料と住宅、保健、教育、衣類その他の日常的な基礎的支出(基礎的全体バスケット、CBT)を十分に賄う収入がない世帯、人口を指す。2021年上半期のCBTは6万2,989ペソ(約6万9,288円、1ペソ=約1.1円)だった。また、極貧層とは、基礎的な食料(基礎的食料バスケット、CBA)を賄う収入がない世帯、人口を指す。2021年上半期のCBAは2万6,875ペソだった。今回の調査によると、貧困世帯の平均収入は3万7,803ペソ(CBTの60%)、極貧世帯の平均収入は1万6,741ペソ(CBAの62.3%)にとどまった。

年齢層別にみると、0~14歳の貧困率は54.3%で最も高く、前期比3.4ポイント減、前年同期比2ポイント減と改善したものの、パンデミック前の2019年よりも高い水準だ(添付資料表1参照)。

地域別の貧困率をみると、首都ブエノスアイレス市が13.9%、同市近郊地域の大ブエノスアイレス圏(GBA)は45.3%、南部に位置するパタゴニア地域が34.4%で、いずれも前期比、前年同期比で減少した(添付資料表2参照)。しかし、西部に位置するクージョ地域(41.5%)、北東部(45.4%)、北西部(44.7%)、中部に位置するパンパ地域(42.1%)では、国全体の平均貧困率を上回り、前期比・前年同期比で悪化した。これらの地域では貧困率が50%を上回る都市もある。例えば、北東部に位置するエントレ・リオス州のコンコルディア市は56.1%となり、全国31都市の中で最も高い水準を記録した。

2021年のアルゼンチン全体の推計人口4,581万人に対して、貧困人口は1,860万人以上、極貧層は約500万人に上る(注)。識者は、「半世紀前のアルゼンチンの貧困率は1桁台にとどまり、極貧層など存在しなかった」と語る。新型コロナウイルス感染拡大に伴う長い外出禁止措置が深刻な貧困の状況を加速させたことは明らかだが、「アルゼンチンという国は全体的かつ慢性的な劣化に見舞われている」とし、アルゼンチンの貧困問題は長期かつ深刻化する景気の停滞によるもので、新型コロナウイルス感染拡大による一過性のものではないと指摘する。(現地紙「インフォバエ」電子版10月1日)。

写真 ブエノスアイレス市中心部でごみを回収して収入を得ようとする貧困層(ジェトロ撮影)

ブエノスアイレス市中心部でごみを回収して収入を得ようとする貧困層(ジェトロ撮影)

(注)INDEC発表の推計人口に貧困率40.6%、極貧率10.7%を掛けた数字

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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