ミャンマー国軍司令官のASEAN首脳会議への参加認めず、緊急外相会合が決定

(ASEAN、ミャンマー、シンガポール、インドネシア)

ジャカルタ発

2021年10月20日

10月15日に緊急ASEAN外相会合(EAMM)がオンライン形式で開催され、10月26日から28日にかけて開催されるASEAN首脳会議および関連会合に、ミャンマーの代表として実務者の代表(non-political representative)を招待することを決定したと複数のメディアが報じた。事実上、ミャンマー国軍司令官ミンアウンライン氏の出席を拒否したことになる。

4月に開催されたASEAN首脳級会議では、ミャンマーへのASEAN特使派遣などを含む5項目で合意していた(2021年4月27日記事参照)。しかし、ASEAN側が要求するアウンサンスーチー氏を含む全ての関係者との面談はいまだに実現されていない。シンガポール外務省は10月16日に発表した声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいて、「シンガポールはEAMMの決定を支持する」とした上で、「非常に難しい決断だったが、『5項目の合意』の実行が満足できるものでなく、非常に限られたものだったことを考慮すると、ASEANへの信頼性を維持するために必要な判断だった」とコメントした。インドネシアのルトノ・マルスディ外相はSNS上で、「包括的なプロセスで民主主義を回復するまで、ミャンマーの政治的代表がASEAN首脳会合に参加するべきではないと提案した」ことも明らかにした。

一方、ミャンマー外務省は10月16日に声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを出し、「EAMMにおける決定は合意を得ておらず、ASEANおよびASEAN憲章の目的に反しており、ミャンマーとして本決定に深く失望するとともに、強く反対する」とコメントした。

(上野渉)

(ASEAN、ミャンマー、シンガポール、インドネシア)

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