2022年1月から小売りで野菜・果物のプラスチック包装禁止

(フランス)

パリ発

2021年10月20日

フランスで2022年1月1日から、小売り販売で野菜や果物のプラスチック包装が禁止される。2020年2月施行の循環経済法(2020年6月4日付地域・分析レポート参照)により「2022年から小売店での1.5キログラム未満の未加工の野菜、果物のプラスチック包装を禁止」と規定されたが、10月12日に公布の首相令(施行令)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで具体的な品目を公表した。

2022年1月1日からプラスチック包装が禁止となる野菜は、長ネギ、ズッキーニ、ナス、ピーマン、パプリカ、キュウリ、ジャガイモ、ニンジン、トマト(丸型)、タマネギ、カブ、キャベツ、カリフラワー、カボチャ、パースニップ(ニンジンに似た根菜)、ラディッシュ、トピナンブール(キクイモ)、根菜。果物は、リンゴ、ナシ、バナナ、オレンジ、ミカン類、キウイ、レモン、グレープフルーツ、プルーン、メロン、パイナップル、マンゴー、パッションフルーツ、カキが対象。

その他、以下の傷みやすい野菜、果物については、それぞれ規定する期日までプラスチック包装での小売り販売を例外的に認め、2026年半ばまでに段階的に禁止する。

〇2023年6月30日まで

丸型のトマト以外のトマト〔楕円(だえん)型、ミニトマトなど〕、早生のタマネギ、早生のカブ、メキャベツ、サヤインゲン、ブドウ、モモ、ネクタリン、アプリコット

〇2024年12月31日まで

チコリ―、アスパラガス、ブロッコリー、キノコ、早生のジャガイモ、早生のニンジン、ベビーキャロット、サラダ類(レタス、ノチジャ、ベビーリーフなど)、ハーブ、ホウレンソウ、スイバ、食用花、緑豆モヤシ、サクランボ、クランベリー、コケモモ、ホオズキ

〇2026年6月30日まで

「成熟した果物(les fruits mûrs à point)」と表示付きの完熟した状態で販売している果物、スプラウト(発芽野菜)、ラズベリー、イチゴ、ブルーベリー、スグリ、オタハイトグーズベリー、ローゼルの実、クロスグリ、サルナシ

2022年1月1日から禁止の野菜と果物は、同日以前に輸入された製品を含めて6カ月間、また、2023年6月30日までプラスチック包装での小売り販売が認められているものは、同日以前に輸入された製品も含めて4カ月間、それぞれ在庫終了までの猶予期間としてプラスチック包装付きでの販売を認める。違反した場合は、最大で1万5,000ユーロの罰金が科される。

エコロジー移行省は37%の野菜、果物が包装付きで販売されていると推計しており、今回の措置により毎年10億個以上のプラスチック包装を削減できるとしている。フランスはプラスチック包装に関して先駆的な取り組みを行っており、他のEU諸国も同等の措置を取るよう促している。

写真 個包装された野菜が陳列されている小売店舗内の様子(ジェトロ撮影)

個包装された野菜が陳列されている小売店舗内の様子(ジェトロ撮影)

(奥山直子)

(フランス)

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