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バイデン米政権、経済金融分野の気候変動リスク軽減へ包括戦略発表

(米国)

ニューヨーク発

2021年10月19日

米国ホワイトハウスは10月15日、経済金融分野の気候変動リスク軽減に向けた包括戦略PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)について報告書を発表した。ジョー・バイデン大統領は5月に経済金融分野の省庁に対し、各施策について気候変動リスクが金融システムなどに与える影響を考慮することを義務付ける大統領令に署名しており(2021年5月24日記事参照)、今回の報告書はこれを踏まえて作成された。

ホワイトハウスは、過去5年間で気候変動による米国の損害額は6,000億ドルに達し、自然災害がサプライチェーンを混乱させ、品不足や遅延など企業・消費者双方にコストが生じているとともに、気候変動リスクは既に退職年金制度に数十億ドルの追加コストを生じさせていると指摘。気候変動リスクによるコストに対処し、米国の経済成長の長期的な持続可能性を確保するとした。

報告書では以下の6つの主要テーマを柱にして、各施策に取り組むとしている。

(1)気候変動リスクに対する金融システムのレジリエンス(復元力)の推進

(2)気候関連の金融リスクからの年金と貯蓄の保護

(3)気候関連の金融リスクに対処する連邦政府調達の活用

(4)気候関連の金融リスクを考慮に入れた連邦予算編成と財務管理

(5)気候関連の金融リスクを考慮に入れた連邦貸し出しと引き受けの決定

(6)レジリエンスのあるインフラストラクチャーとコミュニティーの構築

具体的な施策として、(1)では、証券取引委員会(SEC)は気候変動リスクの包含を必須とした企業の情報開示ルールを今後数カ月で提案予定とした。(2)に関して、労働省は年金運用などで気候変動リスクなどを考慮して投資決定を行う新たなルール外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを提案しているほか、(3)で、行政管理予算局(OMB)は連邦政府が調達決定を行う際に温室効果ガス排出量の少ない企業からの入札を優先することを求める新たなルール外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表していることなどを挙げている。

バイデン大統領も出席を予定している英国で11月開催の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が2週間後に迫る中、報告書について、ジーナ・マッカーシー国家気候担当大統領補佐官は「この報告書で示されたロードマップは、気候変動の経済的リスクを緩和するとともに、気候変動の経済的機会もつかむというバイデン大統領の目標を達成するための第一歩だ」と述べ(ブルームバーグ10月15日)、さらなる対策の強化に意欲をみせた。

(宮野慶太)

(米国)

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