国外で接種した新型コロナワクチン接種記録、国内で承認可能に

(ポーランド、EU)

ワルシャワ発

2021年10月12日

ポーランド保健省は10月4日、国外で接種した新型コロナワクチン接種記録がポーランドでも認められ、9月30日からポーランドの「e-ヘルスシステム(e-Zdrowie)」に登録することが可能になったと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これにより、国外で新型コロナワクチンを接種した者であっても、ポーランドのe-ヘルスシステムを通してEUの「デジタルCOVID証明書」(2021年7月2日記事参照)を発行することができるようになる。なお、対象となるのは、ポーランド国籍者、ポーランドに居住資格のある外国人で、EUが承認している新型コロナワクチン〔ファイザー製、モデルナ製、アストラゼネカ製、ジョンソン・エンド・ジョンソン(ヤンセン)製〕の接種が完了している場合。

申請に当たっては、以下の書類を新型コロナワクチン接種ポイント外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで提出することが求められている。

  • ワクチン接種証明書の原本とコピー(原本は提示のみ)
  • 上記証明書のポーランド語認証翻訳(国に認定されている翻訳者によるもの外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
  • e-ヘルスシステムでの個人データの処理およびEUの「デジタルCOVID証明書」自動作成に関する同意書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ポーランド語)

ポーランドの新型コロナウイルスの感染状況については、10月6日時点の新規感染者数は2,085人(前日比760人増)となり、5月20日以来初めて2,000人を超えた。感染者が急増しているにもかかわらず、入院患者数は前年の同じ時期の半分。新型コロナワクチン接種者および新型コロナウイルス感染症からの回復者が増えたため、状況は2020年ほど深刻ではないとされる。アダム・ニェジェルスキ保健相は「新型コロナウイルスとの生活に慣れていくべきだ」と発言しており、現時点で行動制限の強化は予定されておらず、マスク着用などの秩序を守ることを重要視している。なお、感染第4波のピークは2021年11~12月の予測で、1日の新規感染者数は4万人まで増える可能性があるとみられている。

欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると、ポーランドでは10月8日時点で全人口の51.7%(18歳以上では60.4%)が新型コロナワクチンの接種を完了している。ブースター接種は、接種完了から28日以上経過した免疫力が低下している患者(抗がん剤治療や臓器移植を受けた患者など)および、接種完了から6カ月以上経過した医療関係者と50歳以上の国民が接種することできる。

ニェジェルスキ保健相によると、感染者率が高い県はワクチン接種率が低い県だ。ポーランド政府は、ラジオ・テレビ・インターネット広告を使って、ワクチン接種を促すキャンペーンを実施している。

(今西遼香、ニーナ・ルッベ)

(ポーランド、EU)

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