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9月にインフレ再加速、新たな価格凍結措置も効果限定的との見方

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2021年10月21日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は10月14日、9月の消費者物価指数(CPI)上昇率を発表した。全国平均でCPIは前月比3.5%上昇し、前年同月比(年率)では52.5%上昇した(添付資料図参照)。前月比の上昇率は4月以降、減速傾向にあったが、9月に再び加速した格好だ。

前月比の上昇率を詳しくみると、季節により価格が変動する生鮮食品や観光サービスなどの財・サービスは前月比6.4%、エネルギーや公共サービスなど価格統制された財・サービスは3.0%、季節要因と価格統制要因を除いたコアインフレ率は3.3%上昇した。

費目別にみると、前月比の上昇率が大きかったのは、衣類・靴類(6.0%)と酒類・たばこ(5.9%)(添付資料表参照)。食品・飲料(酒類を除く)は8月に1.5%まで減速したが、9月は2.9%と再び加速した。

9月にインフレが加速した原因として、民間エコノミストらは、「9月12日に実施された国会議員予備選挙(PASO)の影響」を挙げている。選挙が影響したとする見方の1つは、物価上昇が選挙に大きな影響を与えないよう企業側が配慮し、特に8月の価格改定を見送ったというもの。PASOが終わり、企業は9月に一気に価格を引き上げたとする見方だ。もう1つの見方は、11月14日の本選挙で与党が大敗する可能性があることから、為替、金融・財政政策、IMFとの交渉の行方など先行き不安定感が高まったため、企業が予防的に価格を見直したとの見方だ(現地紙「ラ・ナシオン」電子版10月14日、同「ペルフィル」10月16日)。

物価再上昇を受け、連邦政府は10月13日、大手食品メーカーやスーパーマーケットの経営者と会合を開き、食品や生活必需品1,247品目の価格を90日間凍結するよう要請した。10月1日時点の価格を2022年1月7日まで凍結させる要請で、対象品目には酒類、日用品、ペットフードなども含まれる。

この価格凍結要請について、民間調査会社のエコラティナは「短期的な効果はみられるだろう。しかし、価格凍結期間が終了すれば、公共料金の見直し、通貨安の加速の可能性、賃上げ交渉の開始、最大の貿易相手国ブラジルや米国、欧州での物価上昇などが国内の価格を再び押し上げるだろう」とし、「政府の2022年のインフレ率見通し33%を大きく上回る可能性が高い」と厳しい見方を示している。

写真 国産ワインの価格も単月で約7%上昇(ブエノスアイレス市内のスーパーマーケット、ジェトロ撮影)

国産ワインの価格も単月で約7%上昇(ブエノスアイレス市内のスーパーマーケット、ジェトロ撮影)

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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