大型スタートアップイベント「テックバーベキュー」、新型コロナ規制撤廃後初開催

(デンマーク、北欧)

デュッセルドルフ発

2021年10月01日

デンマークの首都コペンハーゲンで9月16、17日、同国最大のスタートアップイベントのテックバーベキュー(TechBBQ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)が開催された。

デンマークでは6月以降、新型コロナウイルス感染対策に関する規制を段階的に緩和し、9月1日以降はナイトライフや大型イベント、国内外への渡航に関する規制を除く全ての規制を廃止している。

こうした中で開催された今回のイベント会場には、約4,000人の来場者があり、スタートアップ、投資家、アクセラレーターなどの活発な交流が行われた。

各企業のブースは、クリーンテックやフードテック、スポーツテック、マリンテック(海運関係)、スペーステックなどテーマ別に配置された。産業に特化したアクセラレーターが支援するスタートアップとともに出展している例が多かった。主催者によると、個社だけでなく、各産業のスタートアップエコシステム全体を来場者に分かりやすく伝えることを意図していた。主催者は2019年から中国深セン市でテックバーベキューの中国版を開催しており、国外のエコシステムとの交流を促進することにも積極的だ。主催者は日本の地方のスタートアップクラスターとの交流にも関心があるという。

同じ北欧では、大型スタートアップイベントとしてスラッシュ(2018年6月15日付地域・分析レポート参照)が有名だが、テックバーベキューは規模を一定に抑えることで、参加者同士が密に交流できる機会を作ることに重きを置いている。出展者はデンマークとスウェーデン南部からの参加が多いが、多くの企業が国外企業との協業にも積極的だ。北欧はオープンマインドの企業が多く、会場でも気軽に相互に声をかけて話ができる雰囲気があるのも特徴といえる。デンマークを中心に北欧のスタートアップの日本とのビジネスを支援するイノベーション・ラボ・アジアが主催する対日ビジネスに関する講演や企業ネットワークイベントも行われた。

テックバーベキューは次回2022年も開催される。

写真 クリーンテック展示ブース(ジェトロ撮影)

クリーンテック展示ブース(ジェトロ撮影)

写真 満員のカンファレンスの様子(ジェトロ撮影)

満員のカンファレンスの様子(ジェトロ撮影)

写真 活発な商談エリア(ジェトロ撮影)

活発な商談エリア(ジェトロ撮影)

(木場亮)

(デンマーク、北欧)

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