三菱重工、米センビタファクトリーに出資、CO2回収・有効利用・貯留事業を強化へ

(米国)

ヒューストン発

2021年10月29日

三菱重工業は10月28日、米国統括拠点である米国三菱重工を通じて、バイオ技術を活用した二酸化炭素(CO2)利用技術を有する米国企業センビタファクトリー(本社:テキサス州ヒューストン)への出資を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。三菱重工のほか、米国のエナジーキャピタルベンチャーズ、米州住友商事なども出資に参画している。

センビタファクトリーは、バイオ合成技術を用いて、化学品、鉱山、石油ガスなどの重工業分野での脱炭素ソリューションを開発・提供するスタートアップ企業だ。同社のバイオ製造プラットフォームにより、CO2を原料に常温・常圧下でさまざまな化学品を生成することを特長としているという。

三菱重工は、今回のセンビタファクトリーへの出資を通じて、CO2を回収して転換利用、貯留するCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)バリューチェーンのポートフォリオを強化することを狙いとしている。

CCUSは、カーボンニュートラル社会を実現するための有効な手段として注目を集めている。三菱重工は、CO2転換利用における連携などを拡大し、さまざまな顧客のニーズに応えるとともに、カーボンニュートラル社会の実現を加速していく考えだ。

三菱重工は、2020年11月にメタンからプラズマ熱分解方式で水素と固体炭素を取り出す技術を持つ米国モノリスへの出資(2020年12月2日記事参照)、2021年1月にCO2と再生可能エネルギーからクリーン燃料を生成する技術を持つ米国インフィニウムへの出資(2021年1月28日記事参照)、同年2月にはメタンから「革新的な熱触媒」を用い水素と固体炭素を取り出す技術を持つ米国C-ZEROへの出資(2021年3月1日記事参照)をそれぞれ発表している。

(沖本憲司)

(米国)

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