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欧州エネルギー集約型産業11団体、EUにエネルギー価格高騰への対応要請

(EU)

ブリュッセル発

2021年10月22日

欧州鉄鋼連盟(EUROFER)と欧州肥料工業会(ファーティライザー・ヨーロッパ)、欧州セメント協会(CEMBUREAU)などエネルギー集約型産業の11団体は10月20日、欧州理事会(EU首脳会議)の開催(10月21、22日)を前に、EUに対してエネルギー価格高騰へのさらなる緊急の対応と中期的な対処を求める共同声明PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。声明では、前年比で4~5倍にもなっている現在のガス、電力価格の高騰により、エネルギー集約型産業では減産や一時的なプラント閉鎖といった大きな影響が出ており、スポット価格の高騰が長引くことで、2022年上半期分の先物取引市場の価格も高値水準となっていると指摘。新型コロナウイルス危機からの経済の完全回復にとって「重大な脅威」になっているとした。また、エネルギー集約型産業が気候中立目標の達成へ向けて、競争力を維持しながら移行を進めるには、低炭素エネルギー源の十分な活用がカギとなるが、エネルギー価格全般が高水準で不安定だと、中期的に気候中立への移行にも影響が出るとした。

11団体は、10月13日に欧州委員会が発表した対応策(2021年10月14日記事参照)は短期的な対応として大要を示したと評価し、EU加盟国政府に対して十分な活用を促した。その上で、現況は「前例のない危機」であり、「さらに緊急のイニシアチブが必要だ」として、EUに対して(1)主要なガス供給者に対して、契約など商業と外交の両面から働きかけ強化、(2)加盟国のより一層のエネルギー価格高騰への対応を可能とする特別な国家補助ルールの策定、(3)電力、ガス市場を綿密にモニタリングする仕組みの導入を提案した。

「欧州グリーン・ディール」推進のためにも構造的措置も求める

声明ではまた、現在のエネルギー価格高騰はさまざまな要因に関連しており、「欧州グリーン・ディール」や気候・エネルギー関連の施策の推進に当たり、中期的な構造的措置を求めた。例えば、(1)EU排出量取引制度(EU ETS)の下での炭素価格の急な高騰やカーボンリーケージ(排出制限が緩やかな国への産業流出)の防止、(2)スポット価格より予測可能な価格で非化石電力へのアクセスを促進するため、長期コーポレート電力購入契約の奨励、(3)グリッド安定化のために、産業界が電力需要に応える取り組みに対して十分な報酬が得られること、(4)産業界の気候中立への移行を支援する規制枠組みとなる競争政策が必要だとした。

(滝澤祥子)

(EU)

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