第2四半期のGDP成長率は前期比1.2%、GDPの計算方法を変更

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2021年10月14日

南アフリカ共和国統計局は2021年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率(前期比、季節調整済み)を1.2%と発表した(9月7日付)(添付資料表1参照)。今回の発表には、7月に発生した一部州での抗議行動や暴動(2021年7月14日記事参照)の影響は含まれていない。

第2四半期の実質GDP成長率を産業別でみると、10業種のうち6業種がプラス成長となり、特に運輸・倉庫・通信(6.9%)、農林水産業(6.2%)、その他サービス(2.5%)が回復に向かいつつある。一方、石油や化学製品、ゴム、プラスチック製品の不振により、製造業はマイナス0.8%となった。また、GDPの約2割強を占める金融・保険・不動産業・企業サービスがマイナス0.4%となった。

需要項目別では、民間最終消費支出は、交通、医療、レストラン・ホテル、食料品の消費増加により、0.5%となった(添付資料表2参照)。第1四半期(1~3月)にマイナス成長だった総固定資本形成は、機械、設備、輸送機器などへの投資が増えた結果、0.9%のプラス成長に転じた。政府最終消費支出は連続でマイナス成長だった。

なお、南ア統計局は8月25日、基準年を2010年から2015年に変更するなど、GDPの再計算を実施した。従来、5年置きに基準年の変更を行っていたが、新型コロナウイルス感染拡大を理由に公表を後ろ倒しにし、前回の2014年から7年ぶりの実施となった。再計算によって、2020年のGDPの修正推定値は、2021年3月の発表より11%上方修正され、年間成長率はマイナス7.0%からマイナス6.4%となった。また、「政府サービス」に含めていた教育・健康サービスを「その他サービス」に移行するなどの変更も行った。

(堀内千浪)

(南アフリカ共和国)

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