遼寧自由貿易試験区大連エリア、登録企業向けの認証サービス窓口を設置

(中国)

大連発

2021年10月21日

中国政府が自由貿易試験区に指定している遼寧自由貿易試験区大連エリア(以下、同エリア)は、中国国際貿易促進委員会遼寧省分会と協力し、同エリア内で国際ビジネスに必要な認証を発行するサービスを導入した。同サービスは2021年8月から開始されており、遼寧省全体の自由貿易試験区において初の試みとなった。

従来、同エリア内の企業が認証を取得するには、車で移動すると片道1時間ほどかかる中国国際貿易促進委員会遼寧省分会(大連市内窓口)に出向き、資料の提出や登録を行う必要があった。同エリアは貿易業務に従事する企業が多く、認証手続きの利便性向上に向けた一定のニーズがあったことから、同サービスが導入されたものとみられる。

今後は、同エリア内の認証サービス用窓口であらかじめ登録し申請を行えば、当日中に認証が取得可能となる。例えば、原産地証明書の発行については、企業が自分で印刷・取得することができ、その他の書類は申請後、郵送のサービスも利用できる。また、取引の過程で問題が発生した段階で認証書類などを取り寄せる企業が多かったため、同サービスと並行して、同エリアの職員が各企業に対し、認証手続きに関する1対1でのアドバイスを行うサービスも開始した。

同エリア内にある大連市・金普税関では、オンライン輸入貨物検査を導入(2021年10月4日記事参照)するなど、輸出入手続きに関連するサービスの利便性向上が図られている。大連市で日本向け輸出を手掛ける日系企業からも、貿易手続きの簡素化に取り組む税関の姿勢を評価する声が聞かれる。大連市では、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の先行アクションプラン(注)を推進しており、その効果が期待される。

(注)「RCEP協定の先行アクションプラン」は、大連市開放工作指導グループが2021年6月に公表したもので、通関手続きの迅速化などがうたわれている。

(山口はるか)

(中国)

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