中国、半導体不足により自動車の減産が長引く可能性も

(中国)

上海発

2021年10月22日

中国自動車工業協会(CAAM)と重慶両江新区管理委員会は10月15~16日、2021年中国自動車サプライチェーン大会を重慶市で開催した。中国機械工業連合会の陳斌執行副会長は基調講演において、「(足元で発生している)車載半導体不足は中国のサプライチェーンの脆弱(ぜいじゃく)性を示す結果となった。自動車の生産と販売は2021年5月から9月まで5カ月連続で前年同月比減少しており、半導体不足の影響で年間約200万台の減産になる可能性がある。半導体のほかにも、産業用センサー、基礎産業用ソフトウエア、特殊素材、精密機器なども輸入に大きく依存しているため、仮に自然災害や人為的災害が発生すれば、サプライチェーンに対する影響はさらに大きくなる可能性がある」と述べた。

一方で、長安汽車のSUV(スポーツ用多目的車)モデルUNI-T、理想汽車のSUVモデル理想ONEは、中国のAI(人工知能)半導体メーカーの地平線機器人科技が開発したチップを搭載するなど、中国産半導体を使用する自動車メーカーもある。さらに、自動運転IC(集積回路)チップメーカーの黒芝麻智能科技も第一汽車、蔚来汽車(NIO)、上海汽車、BYDなど自動車メーカーとコンタクトをとりつつある(「読創」2021年10月16日)。

自動車部品大手のボッシュ中国の陳玉東総裁は10月13日、車載半導体の状況について「2021年上半期までの半導体不足は20%程度、つまり、1万台の受注に対して8,000台分は供給できた。しかし、7月以降は受注に対し20%以下の供給となり、8月も改善しなかった。9月、10月はやや状況が改善しているが、需要の半分以下の充足率にとどまっている」と述べた。また、「完成車メーカーの選択を尊重しつつ、中国産ICチップの利用を進める。しかし、車載半導体は、検収から量産までに少なくとも2、3年かかり、中国企業の量産体制構築に向けては長期間にわたるプロセスが必要。半導体不足が直ちに解消されることは期待できない」とも指摘した(「21世紀経済報道」10月13日)。

(侯恩東)

(中国)

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