アジアから南米への荷動き量は前年比44%増、需要に追い付かず輸送コスト上昇

(ペルー)

リマ発

2021年10月19日

世界が新型コロナウイルスの経済的打撃から回復する中、新型コロナ禍で生じた国際物流網のゆがみが尾を引き、増加する需要に対して船舶数や港湾コンテナスペース、コンテナ数などの不足が発生し、輸送コストの高騰に歯止めがかからない状況が続いている。

ペルー中央準備銀行(BCR)が9月17日に公開したレポートによると、同月の40フィートコンテナの海運輸送料の世界平均は2019年9月比で約7倍、2020年同月比では約3倍の1万ドルに達している。特に、新型コロナ禍で主要港を2カ月間にわたって閉鎖した中国を起点としたルートの輸送料の上昇は顕著だという。ペルーでも、7月時点の1トン当たりの輸送コストは2019年同月比98.2%増、2020年同月比75.6%増の116ドルに上っており、食品の輸送費も全般的に上昇している。そのため、BCRでも、為替の下落と並んで、2021年に入ってからの食品価格高騰の主な要因に輸送コストの上昇を挙げている。

ジェトロが現地海運会社に行ったヒアリングによると、アジアから南米へのコンテナ荷動き量は前年比で44%増と、他のどの航路よりも高いという(アジアから北米でも43%)。さらに南米諸国は中国との取引が大きいため、船舶不足、コンテナ不足のいずれも2022年第1四半期(1~3月)までは続くと同社では予測している。

こうした状況を受け、各社は調達ルートの見直しを迫られている。ペルーの有力紙「ヘスティオン」紙に対して、ペルーの物流会社ディネット(DINET)は、原料や精密部品などをチリやアルゼンチンなど周辺国から陸路で調達する動きがあると答えている。また、DHLエクスプレスによると、航空輸送量が新型コロナウイルスのパンデミック前と比べて40%増加しているという。ペルーで日本製品の小売店チェーンを展開する日系企業でも、為替下落と輸送料上昇で輸入コストが新型コロナ禍の前より50%増加しているという。年末商戦に向けて商流の増加が予想される中、各社は輸送コスト上昇分を販売価格に転嫁するのか厳しい選択に迫られている。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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