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2022年予算案、EU復興基金により過去最高の投資額

(スペイン)

マドリード発

2021年10月22日

スペイン政府は10月13日、2022年予算案PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を下院に提出した。新型コロナウイルスのワクチン接種が一巡し、経済活動の本格的な再開が進む中で、経済の再建・変革と同時に、「新型コロナ禍」で広がった格差の是正を目指す「公正な復興予算」と位置付けた。前年に引き続き、「持続可能な開発目標(SDGs)」との整合性報告書を伴う予算となっている。

歳出総額は前年比4.2%減の5,271億800万ユーロだが、ここから国債償還を除いた支出は前年比0.6%増の4,589億7,000万ユーロと過去最高になった。国際競争力を向上し新たな生産モデルを築くべく、投資予算が過去最大規模の400億ユーロとなった。主な投資分野は、産業・エネルギー(113億ユーロ)で、バリューチェーンと物流のデジタル化・自動化や、再生可能エネルギー導入、グリーン水素エコシステムの構築、電気自動車の普及拡大が中心になっている。また、研究・開発・イノベーションとデジタル化分野では、新型コロナウイルス感染拡大前の2倍に相当する133億ユーロと過去最大になった。

なお、支出予算のうち276億ユーロ(全体の6%)はEUの復興基金で、投資予算の6割を占めている。主な項目としては、自動車の電動化や食料安全保障をはじめとする産業変革(32億ユーロ)、住宅の省エネ改修(28億ユーロ)、持続可能なモビリティ構築(22億ユーロ)、中小企業の強化(21億ユーロ)がある。

また、「社会投資」として、過去10年間に欧州債務危機と新型コロナウイルス感染拡大の2回の危機に見舞われた、若者への支援予算を126億ユーロと前年から倍増。住宅アクセスの向上として、賃貸住宅の供給拡大や18歳から35歳以下の若年層を対象とした月額250ユーロの住宅費補助(前年の2倍)を行うほか、職業訓練や雇用機会の促進などを通じて今後4年間で20万人の若年層の新規雇用を創出する。

外形標準課税を適用へ

政府は、予算案のベースとなる2022年の経済成長率見通しを7.0%としており、税収は景気回復を背景に前年比8.1%増の2,320億ユーロを見込む。財政収支はマイナス5.0%(前年比3.4ポイント減)、政府債務比率はGDP比115.1%(4.4ポイント減)と予測。

法人税は、前年から実施されている資本参加免税の制限(海外子会社からの配当・キャピタルゲインの非課税率を100%から95%に引き下げ)を継続するほか、大企業の実効税率引き上げのための外形標準課税を適用する。具体的には、年間売上高が2,000万ユーロ以上または連結納税制度を利用する場合は、売上高にかかわらず15%の最低税率を導入するもの。前年予算で導入されたが、コロナ禍により適用が見送られていた。

(伊藤裕規子)

(スペイン)

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