EU理事会、入域制限解除国・地域リスト改定、日本など6カ国除外

(EU、EFTA)

ブリュッセル発

2021年09月10日

EU理事会(閣僚理事会)は9月9日、新型コロナウイルス対策に伴うEU加盟国と欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国(注1)以外の国・地域からの不要不急の入域制限措置の解除に関する2020年6月30日付理事会勧告(2020年7月1日記事参照)の対象国・地域リストを見直す勧告を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

今回の勧告により、ウルグアイを解除対象に追加し、日本、アルバニア、アルメニア、アゼルバイジャン、ブルネイ、セルビアの6カ国を除外した。日本は、EUが2020年6月に入域制限措置を解除した当初は対象国・地域リストに含まれていたが、2021年1月に除外(2021年1月29日記事参照)され、同年6月に再度追加(2021年6月4日記事参照)していた。この対象国・地域リストは、各国の疫学的な状況などを考慮して定期的に見直しており、前回は2021年8月30日に改定していた(2021年8月31日記事参照)。

EUは現在、EU理事会が勧告する入域制限解除国・地域からの入域を除き、原則として域外からの不要不急の入域制限を加盟国に求めている(注2)。日本を含め今回除外した国からの不要不急の入国を現在認めている加盟国は今後、入国の可否をあらためて判断するとみられる。ただし、EU理事会は5月20日付理事会勧告(2021年5月21日記事参照)で、例外的にワクチン接種完了者に対する不要不急の入域制限を原則撤廃する方針を決定しており、今回の勧告でも、加盟国がワクチン接種完了者に対しては、対象国・地域リストに不掲載の国・地域からの不要不急の入国の制限を解除することができるとしている。

今回のEU理事会勧告に基づく9月9日以降の不要不急の入域制限解除国・地域は、オーストラリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、カナダ、ヨルダン、ニュージーランド、カタール、モルドバ、サウジアラビア、シンガポール、韓国、ウクライナ、ウルグアイ、中国、香港、マカオ、台湾。ただし、中国はEUとの相互主義に基づく措置を取ることを条件とする。

なお、入域制限解除国・地域からの入域でも、加盟国によっては、PCR検査の陰性結果証明の提出や自主隔離の実施などの条件(2021年2月3日記事参照)を満たすことが必要になる場合がある。

(注1)アイルランドを除くEU加盟国と、シェンゲン協定に加盟するアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイスが勧告の対象。本勧告では、アンドラ、モナコ、サンマリノ、バチカン市国の居住者はEU居住者と見なされる。

(注2)EU理事会の勧告には法的拘束力はなく、入国管理の権限を持つ各加盟国が勧告に基づき、それぞれ入国制限を実施している。

(吉沼啓介)

(EU、EFTA)

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