首都ビエンチャンなどで夜間外出禁止措置導入、全土での規制も継続

(ラオス)

ビエンチャン発

2021年09月03日

ラオスの首都ビエンチャンで8月30日、首都の新型コロナ対策強化に関する都知事命令(No.015/VCM)が発令された。同都知事命令では、首都における午後10時から翌日午前5時までの往来の禁止をはじめ、エンターテインメント施設やマッサージ店などの閉鎖など、これまで緩和傾向にあった規制を再び厳格化する措置の導入が通知された(都知事命令の詳細は添付資料参照)。

今回の都知事命令は、8月25日に発生したビエンチャンでの11人の新型コロナウイルスによるクラスター発生が影響しているとみられる。8月1日から24日までのビエンチャンでの市中感染者は37人にとどまっていたが、25日のクラスター以降、濃厚接触者を中心とした陽性者の発生が相次ぎ、25日から8月31日までの1週間に確認された市中感染者は83人に達した。

国内の地方都市でも、市中感染の拡大が深刻化しており、一部の地方政府は首都ビエンチャンと同様、独自の措置を出することで規制を強めている。南部サワンナケート県では8月25日、県内の刑務所でのクラスターを中心に、ラオスにとってこれまでで最大となる551人の市中感染が発生。同県の県庁所在地カイソーン・ポムビハーン市では、8月30日から、市内への出入境禁止のほか、午後7時から翌朝5時までの往来禁止などを定める県知事命令が出されている。

全土を対象とした規制措置も継続、一部規制を強化

4月21日から実施されている、中央政府(首相府)によるラオス全土を対象とした規制措置(2021年4月23日記事参照)に関しても、9月1日付で、9月15日までの延長と規制内容の変更を通知する首相府告示(No.1094/PMO)が出された。同首相府告示では、ラオス全土でのエンターテインメント施設などの閉鎖、市中感染が発生している地域(レッドゾーン)の往来禁止、屋内・屋外スポーツ施設の閉鎖などが規定されている。一方で、ビエンチャンやサワンナケートにおける独自措置のように、夜間の外出禁止などの厳格な措置については言及していない(首相府告示の詳細については添付資料参照)。

(岡田脩太郎)

(ラオス)

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