1~6月の対内直接投資、中国による投資が8割超え

(カンボジア)

プノンペン発

2021年09月01日

ジェトロがカンボジア開発協議会(CDC)から入手した投資データ(注1)によると、2021年1~6月のカンボジアの対内直接投資は、前年同期比42.7%増の23億3,667万ドルだった。全体の8割を占める経済特区(SEZ)内への投資額は約15倍の18億6,846万ドルで、中国による12億8,323万ドルの石炭火力発電への投資が全体を牽引している。他方、SEZ外の投資は69%減の4億6,821万ドルだった。

国別にみると、中国が20億4,732万ドルで投資額全体の87.6%を占めた(注2)。2位は英国領ケイマン諸島、3位は英国領バージン諸島だった。4位はタイで、投資額全体の2.2%を占め、食品加工、飼料工場への投資のほか、太陽光発電への投資があった。

業種別では、鉱工業が22億6,953万ドルと全体の97%を占め、カンボジアの主要産業である縫製産業(注3)の投資は全体の6.4%だった。縫製産業のうち、衣類・繊維が19件で9,915万ドル、鞄・履物が12件で5,073万ドルと、中規模企業による投資が中心だった。観光・ホテルは全体の3%で6,715万ドルとなり、新型コロナウイルスの影響による観光客減少に伴い、投資額も減少したとみられる。

(注1)カンボジア開発評議会(CDC)のカンボジア投資委員会(CIB)が発表するSEZ以外への適格投資案件(QIP)取得企業および、CDCのカンボジア経済特別区委員会(CSEZB)が発表するSEZ内への投資案件(同様にQIP取得企業)が対象の統計を足し上げたもの。なお、QIP取得企業以外の統計は入手できない。

(注2)カンボジアを除いた投資額。英国領ケイマン諸島と中国が共同出資したプロジェクト1件を含む。

(注3)衣服・繊維・履物産業を指す。

(井上良太)

(カンボジア)

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