遼寧省で輸入冷凍・冷蔵食品の管理を徹底

(中国)

大連発

2021年09月13日

中国・遼寧省市場監督管理局は9月3日、輸入冷凍・冷蔵食品(以下、輸入食品)の安全管理に関する通知(以下、通知)を発表した。遼寧省に冷蔵保管される全ての輸入食品は、最初に省政府が指定する倉庫に搬入することが義務付けられる。

2020年12月に大連市で新型コロナウイルスの感染が拡大した際、その感染源として指摘されたのが輸入食品だ(2021年1月29日記事参照)。以降、輸入食品は通関時のサンプル検査が全量検査に変更されるなど厳しい管理が行われ、当時、大連港に留置された輸入食品がいまだに取り出せないという状況もみられる。

今回公表された通知の主な管理措置は以下のとおり。

  • 全ての輸入食品を、まず指定倉庫に搬入して専用区画に保管し、他の貨物とは厳格に区別する。
  • 重点国・地域からの重点輸入食品については独立した区画に保管する。
  • 出庫する際には食品包装のPCR検査を実施し、陰性であることを確認する。
  • 全ての保管倉庫は遼寧省冷凍・冷蔵食品安全追跡システムに登録し、出入庫情報を入力する。出庫する貨物には同システムの出庫票を発行する。

通知では、倉庫作業を行う作業員の健康管理も徹底するとしており、PCR検査や作業員全員へのワクチン接種なども義務付けている。また、指定倉庫に搬入されずに保管されている輸入食品に関しては、実態を精査した上で厳しく取り締まることを強調した。

大連の水産品関連企業によると、大連港では2021年上半期から本措置が実施され、既に対応済みだという。一連の手続きに要する時間は、当初は1カ月程度要していた。最近は品目によって1~3週間程度に短縮されているものの、業務に大きく影響していることに変わりはないとコメントした。

なお、今回の措置は、他省などから搬入される輸入食品も全て対象とすることから、省内各地の関連事業者にあらためて周知徹底が図られたものとみられる。

(重岡純)

(中国)

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