アフガニスタンからの米軍撤退など難題山積で7割が現状に不満、米大学世論調査

(米国)

米州課

2021年09月15日

米国コネチカット州のキニピアク大学は9月14日、ジョー・バイデン大統領の支持率や米軍のアフガニスタンからの撤退などに関する世論調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注)を発表した。

最近の各種世論調査でも、バイデン大統領の支持率は低下している(2021年9月14日記事参照)が、8月初旬のキニピアク大学の世論調査で46%だった支持率は今回42%に低下した。項目別では、新型コロナウイルス感染拡大への対応(支持48%、不支持49%)、経済(支持42%、不支持52%)、外交政策(支持34%、不支持59%)、気候変動(支持42%、不支持45%)、米軍最高司令官として(支持40%、不支持55%)と、全項目で不支持が支持を上回った。

国の現状に満足しているかとの問いに対しては、70%が不満と回答(「やや不満」24%、「非常に不満」46%)し、満足と回答した29%(やや満足26%、非常に満足3%)を大きく上回った。

6割がアフガニスタンへの米軍再派遣を想定

バイデン政権のアフガニスタンからの米軍撤退の決定について、54%が「支持」と回答した。支持政党別では、共和党支持者の「不支持」の割合が70%と多数だったが、民主党支持者では「支持」が85%と、対照的な結果だった。アフガニスタンからの撤退が米国にとって「正しい」とする割合は69%と多数を占め、撤退の決定自体は支持された。

しかし、撤退方法については65%が「不支持」と回答した。支持政党別では、民主党支持者の「支持」は62%と高かったが、共和党支持者では91%が「不支持」だった。アフガニスタンから米国への難民受け入れについては、60%が「支持」としている。

8月にタリバンがアフガニスタンの首都カブールを占拠して以来、現地の治安は不安定な状況が続いている。テロリズムとの闘いのため米軍の再派遣が必要になるかという問いには、62%が「再派遣が必要になる」と回答した。支持政党別では、共和党支持者の83%が「必要になる」と回答し、民主党支持者の38%を上回った。

(注)実施時期は9月10~13日。対象者は米国の成人1,210人。

(松岡智恵子)

(米国)

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