アフガニスタンからの米軍撤退により、バイデン大統領の支持率低下

(米国)

米州課

2021年09月14日

米軍がアフガニスタンから撤退(2021年8月31日記事参照)を開始し、8月にタリバンがアフガニスタンの首都カブールを占拠した影響で、ジョー・バイデン大統領の支持率が低下傾向にある。

世論調査サイト、リアル・クリア・ポリティクスの9月13日の各種世論調査の平均支持率は45.2%(「不支持」が49.7%)だった。カブールが占拠される前の8月14日は「支持」が50.1%と過半数を維持していたが、その後、支持率が徐々に低下し8月23日に「不支持」が「支持」を上回った。

米国の公共ラジオ放送NPRが9月2日に発表した世論調査(8月26~31日実施)では、バイデン大統領の支持率が過去最低の43%となった。民主党支持者でも、7月の調査時90%だった支持率が今回85%に低下した。共和党支持者では7月の支持率は6%で、今回は5%だった。無党派層では7月の支持率46%から36%へ10ポイント減少した。

オンライン世論調査会社のシビックス(Civiqs)が9月11日に発表した調査結果では、バイデン大統領の「支持」が「不支持」を上回ったのは、全50州のうち14州のみだった。民主党支持者と共和党支持者の勢力が拮抗(きっこう)するスイング・ステートでも、支持率が低下している。2020年の大統領選挙でバイデン氏が僅差で勝利したアリゾナ、ジョージア、ペンシルベニアの各州で「不支持」が「支持」を10ポイント前後上回った。ドナルド・トランプ氏が大統領選で勝利したテキサス、ノースカロライナ、フロリダの各州でも「不支持」が「支持」を10ポイント以上も上回り、テキサス州では22ポイントと「不支持」が大きく上回った。

ワクチン接種完了義務付けは影響せず

9月9日に、バイデン大統領は新型コロナウイルスのワクチン接種完了証明などを義務付ける政策に関して発表した(2021年9月13日記事参照)が、データ会社のモーニング・コンサルトが実施した世論調査(9月10~12日実施)結果によれば、発表直前の世論調査(9月6~8日実施)結果と支持率(「支持」47%、「不支持」49%)が変わらず、影響はなかった。

(松岡智恵子)

(米国)

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