米カリフォルニア州、山火事悪化地域の住民に避難命令、国有林は一時閉鎖へ

(米国)

サンフランシスコ発

2021年09月01日

米国カリフォルニア州森林保護防火局は8月30日、拡大を続ける山火事「キャルドア火災」の影響により、州北部のリゾート地の1つタホ湖周辺の2万2,000人の住民を対象に避難命令を出した。その後、避難する住民の車で渋滞する幹線道路の様子を地元メディアが報じている。

キャルドア火災は、8月14日の発生からわずか2週間強で州北部のエルドラド郡とアマドア郡で19万エーカー(約769平方キロ)以上を焼いており、制圧率はまだ2割にも届かない(8月31日時点)。同じく州北部で7月から続いているディクシー火災(2021年8月20日記事参照)による燃焼面積は80万エーカーを超える(8月31日時点)。同州の森林火災による燃焼面積は、2021年初から8月30日までに約183万エーカーと、過去5年の同時期平均(約77万エーカー)の約2.4倍に上る。

米国農務省森林局太平洋南西支部は8月30日、カリフォルニア州の森林火災の現状に鑑み、9月17日まで州内太平洋南西地域の全ての国有林を閉鎖すると発表した。同支部は国有林の閉鎖により、森林火災が拡大する緊急事態下で訪問者が国有林に閉じ込められる可能性を最小化するとともに、新たな火災の発生を未然に防ぐ狙いだ。

(田中三保子)

(米国)

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