米カリフォルニア州山火事、行楽地の大気汚染が顕著に

(米国)

サンフランシスコ発

2021年08月20日

米国カリフォルニア州で拡大する山火事(森林火災)の影響で、州北部のリゾート地の1つで、ネバダ州との州境にあるタホ湖でも大気汚染が深刻化している。

カリフォルニア州大気資源委員会(CARB)のデータ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2021年6~8月のタホ湖盆地周辺の微小粒子状物質(PM2.5)測定値は過去10年の同時期の中で最悪レベルになっている。6~8月(19日まで)の大気中のPM2.5の平均値は1立方メートル当たり18.5マイクログラム(μg)で、2011年以降でこれまで最高だった2016年(11.5μg)の約1.6倍、2011年(3.6μg)比では約5倍となっている。過去10年で最も低かった2019年(1.2μg)と比べると約16倍にもなる。タホ湖の南側が属するエルドラド郡の大気質管理局は「タホ湖は盆地の中にあるため、風なしでは森林火災の煙が消散しにくい」と述べている(「サンフランシスコ・クロニクル」紙電子版8月17日)。

州北部では8月19日時点で、計7件の森林火災が発生している。7月に発生し、燃焼面積が約70万エーカー(約2,833平方キロ)に及んでいる「ディクシー火災」(2021年8月11日記事参照)のほか、8月14日の発生からわずか5日で燃焼面積が約6万9,000エーカーに達している「キャルドア火災」など、タホ湖周辺だけでも大規模な森林火災が4件発生している。

(田中三保子)

(米国)

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