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米タロス・エナジー、鉱区共同開発めぐる紛争でメキシコ政府に意見通知

(メキシコ、米国)

メキシコ発

2021年09月07日

米国の石油ガス開発会社タロス・エナジーは9月3日付でプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを出し、同社が2017年7月に発見したザマ(Zama)油田の資源開発オペレーターの決定をめぐる紛争について、メキシコ政府に書面による通知を行ったと発表した。この紛争は、ザマ油田がメキシコ石油公社PEMEXに割り当てられていた油田と隣接することから、油田開発をPEMEXと共同で行うことが必要となり、メキシコ・エネルギー省が7月2日に同共同開発鉱区のオペレーターをPEMEXに決定したことに起因する(2021年7月7日記事参照)。

同社発表によると、今回の通知は、紛争をメキシコ政府との間の話し合いで解決し、国際仲裁などのさらなる手段に訴えることなく、双方に利する解決策を導き出すためとしている。しかし、エネルギー省がPEMEXをオペレーターに決定したことは、同社の投資家および第7鉱区オペレーターとしての権利を害するものであり、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の規定にも反するものだとしている。このため、政府との間で合意が形成されない場合は、USMCAに基づく投資家対国の紛争解決(ISDS)のプロセスに発展する可能性がある。

タロス・エナジーは、PEMEXが国家炭化水素委員会(CNH)に対して6月29日に共同鉱区の開発能力と資金を十分に有するという報告を行ったわずか3日後に、エネルギー省がPEMEXをオペレーターに決定したことに言及し、メキシコ政府のガイドラインに基づけば、エネルギー省は経済性と競争力、効率性、合法性、透明性、業界のベストプラクティス、炭化水素資源の最大限の利用可能性という原則に基づいてオペレーターを決定すべきだが、同社が正式な説明を要請したにもかかわらず、エネルギー省は当該原則の順守について一切明らかにしていないと主張している。また、同社は既に3億5,000万ドルを資源評価のために投じているが、PEMEXは約束していた隣接鉱区の試掘を行うことを数年も引き延ばした上で、最近になって最終的にキャンセルした。また、同社は同油田の水深などから考えられる最適な資源開発技術を有することを何度も主張し、PEMEXの持ち分に加え、メキシコに追加で300億ドルの収入をもたらすことを推定しているが、同社の主張はエネルギー省には一切考慮されなかったとしている。

石油・天然ガス開発はUSMCAに基づくISDSの対象

USMCAでは、全ての加盟国の投資家および投資財産をISDSの対象とする前身の北米自由貿易協定(NAFTA)とは異なり、トランプ前政権の意向が反映されてISDSの対象範囲が制限され、投資家の権利が縮小している。ただし、「石油および天然ガス事業」は、USMCA付属書14-E(「対象となる政府契約に関連するメキシコ・米国間の投資紛争」)の対象となる政府契約であるため、米国の投資家はメキシコ政府による投資家の権利を侵害する違反行為に対し、国際仲裁に訴えることができる。

(中畑貴雄)

(メキシコ、米国)

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