保健省が病床の逼迫状況改善などについて報告

(タイ)

バンコク発

2021年09月09日

タイ保健省は9月6日、新型コロナウイルスの新規感染者数が減少する傾向があること、病床の逼迫状況が改善していることなどを明らかにした(保健省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

9月6日の記者会見における、保健省のソムサック・アッカシン医学局長の説明によると、「新型コロナウイルスの新規感染者のほとんどはデルタ株によるものだが、その70%から80%の者は無症状か、症状がほとんどない」という。病状がある患者は約20%で、現在、人工呼吸器を使用している重症患者は3%程度だ。

同局長は会見において、「総じて、感染者の総数は減少し始めていると言える。結果、病床の逼迫状況も改善している」との見解を示した。例えば、ノンタブリ県のブサラーカム病院では、2,000の病床のうち、1,376が利用可能とした。

また、同局長は、自宅隔離者についても言及。9月5日時点での自宅隔離者は、1日当たり500人未満になり、現在5万3,594人が自宅隔離での治療を行っている。医師と看護師が1日2回、遠隔医療で状況を確認している。症状が悪化した場合は、医師のアドバイスに従い、速やかにホスピテルまたは病院へ連絡するよう呼び掛けた。

さらに、同局長は、新型コロナウイルスの治療薬についても言及。2021年9月から11月までの期間中、米国メルク社製のモルヌピラビルやファイザー社製のプロテアーゼ阻害薬などの治療薬は、フェーズⅢ相臨床試験が成功する見込みだ。保健省は、これらの治療薬を輸入すべく、交渉を進めている。「検証や試験結果に問題がなく、タイにおける登録が完了すれば、すぐに輸入を開始し国内で使用されることになるだろう」と述べた。

(岡本泰、ナオルンロート・ジラッパパー)

(タイ)

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