上半期の貿易、輸出入ともに前年同期比2桁増

(チリ)

サンティアゴ発

2021年09月02日

チリ中央銀行が8月23日に発表した資料によると、2021年上半期(1~6月)の貿易(通関ベース)は、輸出(FOB)が前年同期比29.7%増の454億6,600万ドル、輸入(CIF)が43.1%増の400億7,400万ドルで、貿易収支は53億9,200万ドルの黒字となった(添付資料表1、2参照)。

輸出を品目別にみると、構成比の61.6%を占める鉱産物は、前年同期比55.8%増の280億800万ドルだった。銅は、2021年上半期の国際価格の平均が前年同期比65.7%増の1ポンド=4.13ドルと高値で推移したことに加え、主な輸出先の中国の需要増も背景に、大幅な伸びとなった。

農林水産物は、前年同期比6.2%増の43億500万ドルだった。果物は、ブルーベリーが18.1%増、サクランボが41.6%増と、2桁増となった。一方で、ブドウとリンゴは減少した。

工業品は、前年同期比1.1%増の131億5,300万ドルだった。サーモンの主な輸出先は、米国(構成比:46.8%)、日本(15.3%)、ブラジル(13.7%)で、米国とブラジル向け輸出が増加したため、5.9%増となった。ボトルワインは15.2%増で、主な輸出先の中国(構成比:17.2%)、ブラジル(10.8%)、英国(9.9%)向けがいずれも増加した。

輸入を品目別にみると、中間財は35.0%増の198億2,200万ドルだった。石油やディーゼルなどのエネルギー製品は40.3%増、その他の中間財は、化学製品、金属製品の輸入増により、33.3%増だった。消費財は65.7%増の119億900万ドルだった。耐久消費財は、自動車とコンピュータがそれぞれ2倍以上の伸びを見せ、前年同期に比べ2.1倍に増加した。資本財は36.1%増で、その他の機械やトラック、牽引車の輸入が増加した。

輸出を主要地域別にみると、アジア向けが57.9%を占め、輸出額上位3カ国は中国(構成比:38.9%)、米国(15.4%)、日本(7.7%)の順だった(添付資料表3参照)。中国と日本向けは銅鉱や鉄鉱が増加し、米国向けは銅カソードやサーモンの輸出が増加した。

輸入を主要地域別にみると、米州からが42.0%を占め、アジア(38.8%)、欧州(15.7%)と続く。輸入額上位3カ国は中国(構成比:28.8%)、米国(18.3%)、ブラジル(7.5%)の順で、米国からは主にエネルギー製品の輸入が増加し、中国からは自動車や携帯電話などの耐久消費財と、新型コロナウイルスワクチンの輸入が増加した。

(岡戸美澪)

(チリ)

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