米シカゴ市、飲食サービスにおける使い捨て食器の配布を一部制限へ

(米国)

シカゴ発

2021年09月24日

米国シカゴ市は9月14日、同市内の飲食サービスにおいて使い捨て食器の提供を制限する条例を制定した。同条例は、使い捨て食器の廃棄による環境汚染への対応を目的とするもので、2022年1月から適用される。本条例における「使い捨て食器」は、飲食サービスの一環として使用される食器やその他の物品で、一度だけ使用して廃棄することを意図して製造されたものをいい、フォーク、スプーン、ナイフ、箸、ナプキン、皿などが含まれる。一方で、ストロー、飲料のふたや食品・飲料の容器は含まず、ドライブスルーや空港内の店舗など、使い捨て食器の使用が避けられない店舗では、本条例は適用除外となる。また、本条例に違反しても罰則は設けられていない。

なお、同条例は、飲食サービスのデリバリーやテークアウト時において、店側の判断で使い捨て食器でのサービスを行うことを制限するもので、顧客から使い捨て食器を求められる場合やセルフサービスコーナーでの使い捨て食器の提供は可能だ。

この条例の主唱者であるサマンサ・ニュージェント・シカゴ市議会議員は「環境保護のために市議会が行うべきことはまだまだあるが」とした上で、「少しずつ進めていくのが良い方法だと信じている。本条例はその重要な一歩だ」との認識を示した。他方、イリノイ州レストラン協会代表は「新型コロナウイルスの影響を受けている外食産業に対して、規制を導入するタイミングとしては良くない」と述べつつも、条例の適用除外が認められていることや、罰則が設けられていないことは評価していると述べた。

(藤本富士王)

(米国)

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