ハノイ市は新型コロナ対策の社会隔離を1段階緩和

(ベトナム)

ハノイ発

2021年09月22日

ベトナムの首都ハノイ市は、9月21日午前6時から新型コロナウイルス対策の社会隔離措置を1段階緩和した。同市は7月24日から厳格な社会隔離措置(2021年7月27日記事参照)を2カ月近くにわたり実施してきたが、感染者数の減少やワクチン接種の進展に伴い、行動制限の緩和に動いた。

9月20日付のハノイ市文書(22/CT-UBND)によると、同市は新たな通知があるまで、新型コロナウイルス対策の首相指示15号(15/CT-TTg)に沿った社会隔離措置を適用する。会合や行事の際には、1部屋に20人を超えて集まらないことや、職場、学校、病院以外の公共の場では10人を超えて集まらず、2メートル以上の間隔を確保することが求められる。オフィスや事業所などでの勤務は、出勤と在宅勤務の人数割合を半々にする必要がある(注)。

営業が認められる必需サービスには、理美容院、洗車・修理サービス、家電修理、文房具・学用品の販売、建築資材の取扱店、電子商取引が含まれることになった。飲食店は持ち帰りに限り、午後9時までの営業が認められる。また、市内移動時の通行許可証は不要となった。

一方、バスやタクシーといった交通サービス、市内に到着する国内線フライトや旅客鉄道は引き続き休止になる。文化・スポーツ・娯楽活動や宗教施設での活動も引き続き禁止となる。

ハノイ市内のワクチン接種が加速

ハノイ市内の9月20日の新規感染者数は9人だった。感染者数が減少傾向にあるほか、ワクチン接種でも進展がみられる。9月18日までに1回目の接種が567万1,487回行われ、全市民の68%、18歳以上の94%に達した。2回目の接種は78万6,095回で、全市民の9%、18歳以上の12%に相当する。同市は、11月までに18歳以上への2回目の接種を完了し、行動制限のさらなる緩和を進めたい意向だ。

なお、ベトナム全国の9月20日の新規感染者は8,668人で、ホーチミン市を中心に南部地域がその大半を占めている。全国のワクチン接種は、9月18日までに1回目が2,757万7,472回で人口の28%相当、2回目が651万7,771回で人口の7%相当にとどまっている。

写真 再開した飲食店と持ち帰りで来店する客(9月22日、ジェトロ撮影)

再開した飲食店と持ち帰りで来店する客(9月22日、ジェトロ撮影)

(注)工場などの生産現場に対しては、基本的に人数制限は規定されていない。

(庄浩充)

(ベトナム)

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