米サンタクララやサンフランシスコ、12歳以上の8割が新型コロナワクチン接種完了

(米国)

サンフランシスコ発

2021年09月03日

日系企業が多く進出する米国カリフォルニア州北部のサンフランシスコ・ベイエリアの各郡で、新型コロナウイルスのワクチン接種率が高まっている。サンタクララ(日系企業数:約460社)、サンフランシスコ(約200社)、サンマテオ(約180社)各郡・市の公衆衛生局の最近のデータによると、12歳以上の住民に占める接種完了者の割合は、いずれの郡・市でも8割を超えた(注1、2)。米国疾病予防管理センター(CDC)によると、12歳以上の接種完了率は、カリフォルニア州全体では65.7%、全米では61.7%となっている(9月2日時点)。

サンフランシスコ市では8月20日、レストランやバー、ジム、映画館などの屋内施設利用者や従業員に対して、ワクチン接種完了証明の提示を求める命令が有効となった(2021年8月18日記事参照)。同日以降、対象施設では、利用者に接種完了証明を求める光景が見られている。また、同市は原則、医療施設など感染リスクの高い場所で日常的に働く市職員には9月15日まで、それら場所で不定期にまたは短期間働く職員には10月13日までの接種完了を求めている。さらに、その他の職員にも原則、米国食品医薬品局(FDA)が少なくとも1社のワクチンを正式承認後(2021年8月24日記事参照)、10週間以内に接種を完了することを求めている。

サンタクララ郡サンノゼ市議会は8月24日、市所有施設で開催され、50人以上が参加するイベントの参加者・スタッフに対し、ワクチン接種を求めることを全会一致で承認した。対象施設の1つであるサップセンター(プロアイスホッケーチーム「サンノゼ・シャークス」の本拠地)の施設運営会社は26日、9月20日から、12歳以上の全ての利用者に、入場の際にワクチン接種証明の提示を求めると発表した。

カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は8月31日、12歳以上の州民の80%以上が少なくとも1回目の接種を終えたことを受け、オークランド市の接種施設を訪問した。同知事は、FDAがファイザー・ビオンテック製の新型コロナウイルスワクチンの16歳以上への使用を正式に承認したことを強調し、未接種者に対し、急速に拡大するデルタ型変異株から自分自身やコミュニティを守るためにワクチンを接種するよう促した。

(注1)企業数はジェトロの「ベイエリア日系企業実態調査2020年PDFファイル(8.9MB)」に基づく。

(注2)サンタクララは81.8%(9月2日時点)、サンフランシスコは80%(9月1日時点)、サンマテオは82.4%(9月1日時点)。

(石橋裕貴)

(米国)

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