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米EU貿易技術評議会が初開催、技術管理や半導体供給などで協力

(米国、EU)

ニューヨーク発

2021年09月30日

米国とEUは9月29日、米国ペンシルベニア州ピッツバーグで第1回となる米国EU貿易技術評議会(TTC)を対面形式で開催した。TTCは6月の米EU首脳会談で設立に合意した枠組みで、新興技術の管理や国際的な通商課題での協力を目的とする(2021年6月16日記事参照)。米国からアントニー・ブリンケン国務長官、ジーナ・レモンド商務長官、キャサリン・タイ米国通商代表部(USTR)代表、EUからはバルディス・ドムブロフスキス上級副委員長(通商担当)、マルグレーテ・ベスタエアー上級副委員長(欧州デジタル化対応総括・競争政策担当)が共同議長を務めた。

共同声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、双方は次の各分野の合意事項を基に、第2回会合までに具体的な成果を出すことを目指すとしている。

  • 投資審査:外国からの投資が経済成長とイノベーションに不可欠との認識を共有しつつ、安全保障に対するリスクに対応すべく、投資審査体制には適正な法執行のメカニズムが伴うべき。
  • 輸出管理:国際的な安全保障と公平な競争条件の確保のためには、多国間のアプローチが最も効果的。第三国での輸出管理能力開発でも協力する。
  • 人工知能(AI):革新的で信頼性が高く、普遍的な人権と民主的価値観を尊重するAIシステムの構築で協力する。
  • 半導体:世界的なサプライチェーンのリバランシングに関するパートナーシップを構築し、最先端の半導体の供給と設計・生産能力を強化する。
  • 国際通商課題:非市場的で貿易を歪曲(わいきょく)する慣行に対応すべく緊密に連携し、それらに対抗するための措置を改善する。大西洋間の自由で公正な競争を維持すべく新興技術の交易への不必要な障壁を回避する。労働者の権利を守り、強制労働・児童労働に対抗するとともに、気候変動・環境問題にも取り組む。

上記を含む次の10分野で将来的な協力を進めるとしている。(1)技術標準、(2)気候・クリーン技術、(3)安全なサプライチェーン、(4)情報通信技術・サービス(ICTS)の安全保障と競争性、(5)データガバナンスとテクノロジープラットフォーム、(6)安全保障と人権を脅かす技術の乱用、(7)輸出管理、(8)投資審査、(9)中小企業によるデジタルツールへのアクセス・利用の促進、(10)世界的な通商課題で作業部会を立ち上げ。

双方はこの取り組みの過程で、産学や非営利団体などさまざまな利害関係者との協議を重視するとしている。既に決定している場としては、輸出管理の作業部会が10月27日に利害関係者からの意見を募るためのバーチャルイベントを予定している。

TTC開催前には、米EUが抱えている個人データ保護問題や、鉄鋼・アルミニウム製品への追加関税問題について具体的な成果が一部で期待されていた。しかし、それらの個別問題は議題から外れたもようで、共同声明とファクトシート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのいずれにも言及がない。前者は、EU司法裁判所が2020年7月に、EUから米国への個人データの移転に関する「プライバシーシールド」決定を無効として以降、後継となる枠組みで合意できていない(2020年7月17日記事参照)。後者は、2018年3月に米国のトランプ政権(当時)が発動した鉄鋼・アルミ製品輸入に対する追加関税と、EUによる対米輸入の一部への報復関税が継続している。

(磯部真一)

(米国、EU)

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