トルドー・カナダ首相が勝利宣言、バイデン米大統領が電話会談で祝福

(カナダ、米国)

米州課

2021年09月22日

9月20日に投開票が行われたカナダ第44回連邦下院議会選挙で、ジャスティン・トルドー首相率いる自由党が、エリン・オトゥール党首率いる野党第1党の保守党との接戦を制し、第1党を維持することが確実となった(2021年9月21日記事参照)。トルドー首相は21日未明、カナダ東部モントリオールで勝利宣言の演説を行った、とカナダ主要メディアが一斉に報じた。

カナダ東部時間9月22日午前0時(日本時間9月22日午後1時)時点の連邦選挙管理局の速報発表によると、開票率約99.4%で主要党の獲得議席数は、自由党158、保守党119、ケベック連合34、新民主党25、緑の党2となっており、トルドー首相が目指していた単独過半数には届かなかった。

トルドー首相は勝利演説で、「われわれはカナダを(新型コロナウイルスの)パンデミックから脱出させ、明るい未来へと導く準備ができている」「今夜見たことは、何百万人ものカナダ国民が進歩的な計画を選んだということだ」と述べた。他方、エリン・オトゥール保守党党首は21日未明、「カナダ国民はトルドー首相が望んでいた過半数を与えなかった」と述べた(CNN9月21日)。

トルドー首相は9月21日にジョー・バイデン米国大統領と電話会談し、バイデン大統領は自由党の勝利を祝福した。ホワイトハウスの声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、両首脳は両国の強固で深い友好関係を強調し、経済の回復力と競争力の強化、新型コロナウイルス対応など共通のコミットメントについて協議した。また、バイデン大統領はトルドー首相に対し、米国のトップパートナーであるカナダと今後も緊密に協力し、連携を深めたいと述べた。カナダ政府の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、両首脳は近日中に直接会談し、バイ・アメリカン条項などの2国間の経済・貿易課題や、11月に英国グラスゴーで開かれる第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)を含めた気候変動対策とグリーン経済復興の促進に関する緊密な協力、両国の陸路国境管理を含む新型コロナウイルス対応などについて協議することを約束した。また、トルドー首相は、バイデン大統領が翌9月22日に主催する世界新型コロナウイルスサミットに参加することを表明した。

(大塚真子)

(カナダ、米国)

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