第2四半期GDP成長率、前年同期比5.0%

(ナイジェリア)

ラゴス発

2021年09月03日

ナイジェリア国家統計局は8月26日、2021年第2四半期(4~6月)のGDPを発表した。産業全体の実質GDP成長率(前年同期比)は5.0%で、前期の同0.5%に続いてプラス成長となった(添付資料表参照)。

成長の要因となったのは卸・小売り(22.5%)で、前期のマイナス2.4%からプラスに転じ、大幅増となった。大統領直下の新型コロナウイルス対策タスクフォース(COVID-19 PTF)は5月11日から規制措置を緩和しており、ロックダウンや営業時間短縮の緩和が卸・小売業界の成長を促した。不動産(3.8%)、建設(3.7%)、製造業(3.5%)の各セクターもプラス成長だった。情報通信分野(5.5%)は引き続き高い成長率を記録しつつも、前期に続き成長が鈍化している(2021年5月27日記事参照)。GDPの約4分の1を占める農業分野は1.3%と、わずかながらもプラス成長を維持している。

一方、石油をはじめとする鉱業部門はマイナス12.3%と、マイナス2.2%だった前期から大きく落ち込んだ。前期の産油量が日量172万バレル(コンデンセートを除く)だったのに対し、第2四半期は161万バレルに減産したことが主な要因だ。

また、現地メディアによると、主な買い手であるインドやスペインの需要が新型コロナウイルス禍によって低迷し、輸出量が減少したと報じた。OPECバスケット価格が前年同期比で約2.5倍に高騰し、ガソリンなど石油精製品の輸入価格が上がったこと、新型コロナ対策のロックダウンの影響で、前年同期のガソリン輸入額〔870億8,000万ナイラ(約261億円、1ナイラ=約0.3円)〕が大幅に少なかったことも鉱業部門のマイナス成長の一因と考えられる。

(馬場安里紗)

(ナイジェリア)

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