カザフスタン投資会社、ロシア極東を拠点とするアジア太平洋銀行を買収

(カザフスタン、ロシア)

タシケント発

2021年09月28日

カザフスタンの投資会社であるパイオニア・キャピタル・インベストはロシア極東の有力金融機関アジア太平洋銀行(APB)を買収した。ロシア中央銀行によれば、9月17日に行った入札において、同社がAPB株100%を140億ルーブル(約210億円、1ルーブル=約1.5円)で落札した。所有権の移転は11月1日に行われる。APBはパイオニア・キャピタル・インベスト傘下のジューサングループに編入される(ジューサングループウェブサイト9月17日)。

パイオニア・キャピタル・インベストの筆頭株主はナザルバエフ財団(持ち株比率は74.5%)。ジューサングループは、カザフスタン国内でファーストハートランドジューサン銀行などを傘下に持ち、2020年末時点での資産額はカザフスタンの銀行全体の10%に当たる約3兆テンゲ(約7,800億円、1テンゲ=約0.26円)。

APBは、アムール州ブラゴベシチェンスク市に本店を構えるロシア極東最大規模の金融機関。極東とシベリアを中心に19地域179支店を有し、幅広いネットワークで個人・法人向けに融資の実績がある。今回のAPBの買収理由について、パイオニア・キャピタル・インベストメントは、ロシア市場進出のための基盤づくりと説明している。

ロシア極東では、チュコト自治区でカザフスタン資源大手のカズミネラルズが大型の銅鉱床開発に着手するなど、カザフスタン企業の関心が高まりつつある(2021年9月24日記事参照)

(増島繁延)

(カザフスタン、ロシア)

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