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2020年のGDP成長率はマイナス0.3%、約30年ぶりのマイナス成長

(ケニア)

ナイロビ発

2021年09月15日

ケニア国家統計局(KNBS)は9月9日、例年よりも約5カ月遅れて「エコノミックサーベイ2021」を発表した。ケニアの2020年の実質GDP成長率は「新型コロナ禍」の影響を受け、マイナス0.3%となった(添付資料表1参照)。マイナスに転じたのは1992年以来、約30年ぶり。名目GDPは10兆7,529億ケニア・シリング(約10兆7,529億円、Ksh、1Ksh=約1.0円)となった(添付資料表2参照)。

実質GDPの伸びを産業別にみると、ホテル・レストラン業が47.7%減と大きく落ち込んだことが特筆される。観光業はケニアにとって外貨獲得の基幹産業だが、主要国のフライト運航停止により、来訪した外国人観光客数は前年比145万人減の58万人にとどまった。

また、製造業は前年比0.1%減だった。「新型コロナ禍」で国内需要が減退しただけでなく、原材料・中間財の輸入が滞り、一時的に工場停止した企業も少なくなかった。ケニヤッタ大統領は公約で「2022年までにGDPに占める製造業の割合を15%に高める」という目標を掲げるも、製造業のGDP割合は低迷しており、2020年では7.6%にとどまっている。

一方で好調だったのは、前年比11.8%増となった建設業だ。政府の経済刺激策により、2兆5,000億Ksh規模のラム港・北部回廊プロジェクトをはじめ、官民連携(PPP)モデルの高速道路建設(650億Ksh)などインフラ工事が目白押しだ。ナイロビ市では、建設ラッシュで道路規制により渋滞が多発しているほどだ。これを受けて、セメント消費量は前年の610万トンから21.3%増の740万トンに増加し、雇用面でも建設業では前年の17万3,300人から33%増の23万500人に大幅増加した。

2021年のエコノミックサーベイの発表が遅れた原因は、7年ぶりに経済データを算出する基準年を見直すためで、今回から2016年が名目GDPの基準年と定められた。この結果、これまで約3割のGDPを担っていた農林水産業が、新しい算出方法では1割幅ほど低下し、23%となった(添付資料表2参照)。GDPに占める割合が以前に比べて低下したとはいえ、農林水産業は引き続きケニア経済を牽引する最大の産業であることには変わりはない。2020年の農林水産業の実質GDPは前年比4.8%増と好調だった。好天に恵まれたことが奏功し、茶(前年比24.1%増)、豆類、コメなどの生産量が増加し、ミルクや肉などの畜産業も生産量が増加した。

2021年の経済成長率の見通しについて、ウクル・ヤタニ財務・計画省長官は「6%は達成する自信がある」と強気の姿勢を崩していない。しかし、長期化する「新型コロナ禍」の影響で、雇用者数は2019年の1,814万2,700人から2020年は1,740万5,200人に減少している。さらに賃金額についても、2020年のインフレ率5.4%に対して、年間平均収入額は前年比3%増の80万1,708Kshにとどまっており、実質的に可処分所得は減少した。2022年は5年に1度の大統領選挙(注)が予定されており、早くも選挙の前哨戦が始まっていることから、経済情勢の先行きも予断を許さない。

(注)ケニア憲法では大統領の3選が禁じられていることから、現職は立候補できない。

(西川壮太郎)

(ケニア)

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