日ASEAN経済大臣会合開催、官民で経済復興・サステナブル成長に貢献へ

(ASEAN、日本)

バンコク発

2021年09月17日

ASEAN加盟国、ASEAN事務局と経済産業省は9月15日、第27回の日ASEAN経済大臣会合(共同議長:アミン・リュー・アブドゥラ・ブルネイ首相府大臣兼財務経済第2大臣、梶山弘志経済産業大臣)をオンラインで開催した(ASEAN事務局発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます経済産業省発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

写真 日ASEAN経済大臣会合の様子(ASEAN事務局提供)

日ASEAN経済大臣会合の様子(ASEAN事務局提供)

会合では、2020年7月に発表された日ASEAN経済強靭(きょうじん)化アクションプランの進展などについて謝意が示されるとともに、これらを強化するため、「日ASEAN イノベーティブ&サステナブル成長プライオリティ」として、「産業」「都市部」「地方部」の3分野のイノベーション&サステナビリティに焦点を当て、アクションプランのさらなる拡充を目指す方針が打ち出された。また、2020年から立ち上がった「イノベーティブ&サステナブル成長対話(DISG)」を基点とした日ASEANのさらなる官民連携を促進していくことも、あわせて盛り込まれた。

また、自由貿易協定(FTA)に関する議論では、サービス貿易や自然人の移動、投資の各章が盛り込まれた日ASEAN包括的経済連携(AJCEP)協定の第一改正議定書について、全ての締約国による早期批准が求められたほか、2022年1月初旬までを目標とした地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の早期発効と協定の確実な履行に期待が示された。

ASEANの経済復興に日本企業が貢献を示す

同会合の経済界との対話では、ASEAN日本人商工会議所連合会(FJCCIA)、ASEAN日本経済協議会(AJBC)、ジェトロの3団体の代表が出席した。

FJCCIAの井上聡一議長(ベトナム日本商工会議所会頭)と竹谷厚顧問(ジェトロ・バンコク事務所長)は、ASEAN事務総長との対話やビジネス環境改善に向けた提言書(2021年7月8日記事参照)、ASEANの包括的復興枠組み(ACRF)に向けた日本企業の貢献などを紹介した。

AJBCの斎藤保副会長(日本商工会議所特別顧問、東京商工会議所副会頭)は、1年間のAJBC活動概要とDISGのタスクフォースメンバーとしての官民対話に参画していることを紹介。また、「ポスト・コロナにおける成長には、イノベーション、デジタル化、再生エネルギーの促進が必要。そのためには、経済のバックボーンである中小企業の成長が不可欠」と強調した上で、日ASEANでの中小企業ビジネス支援を強化することを表明した。

ジェトロの佐々木伸彦理事長は、「ASEANと日本は経済上不可欠なパートナー」と述べ、「新型コロナ禍」による厳しい環境の中で、デジタル化やサプライチェーン強靭化の必要性が増大していることを指摘した。その上で、(1)「新型コロナ禍」におけるビジネスの活性化と強靭化、(2)デジタル、イノベーションなどの課題への挑戦、(3)政策対話に向けた調査研究、を3本柱に、「ジェトロはASEANと日本のビジネスの『架け橋』としてさらなる役割にまい進する」と述べた。

(北見創)

(ASEAN、日本)

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