2022年の予算案、景気回復と財政赤字縮小を見込む

(フランス)

パリ発

2021年09月30日

フランス政府は9月22日、2022年の政府予算法案を閣議決定した。この中で予算編成の前提となる実質GDP成長率について、新型コロナウイルス対策の規制緩和に伴う景気の持ち直しが続くとして、2021年は6.0%、2022年は4.0%と予測し、成長が続く見通しを示した。

2022年の歳出額は4,948億ユーロと、2021年の当初予算に比べ3億ユーロの減額、また、2021年第1次予算修正により、新型コロナウイルス対策と経済復興への支出が追加され、当初予算に合算された予算額に比べ196億ユーロの減額となる。新型コロナウイルス対策の支出は2020年からの2年間で総額800億ユーロに達していたが、2022年は支援措置が一段落するため、その分、支出が縮小する。

ブリュノ・ルメール経済・財務・復興相は同日の記者会見で、感染状況の改善に伴って新型コロナウイルス関連の緊急支援措置は10月から徐々に撤廃されると述べた。観光関連セクターなど「新型コロナ危機」で打撃を受けた業界向けの連帯基金支援金は、深刻な感染状況により事業所の閉鎖措置が続く海外県・領土を除き、10月1日から廃止する。

景気回復に伴って税収増が期待できることから、2022年の財政赤字はGDP比4.8%と、2021年の8.4%から大幅に低下する見通し。減税については既定路線を継続し、2022年は法人税の基本税率を25%に引き下げる(注)。公的債務残高はGDP比114%と2021年の115.6%に比べ低下するものの、3年連続で100%を超える高い水準にとどまるとした。

2020年9月に発表した総額1,000億ユーロの経済復興策については(2020年9月7日記事参照)、2021年8月末までに持続可能な経済への移行を促す環境政策に140億ユーロ、企業の競争力強化に170億ユーロ、若年雇用政策など社会的結束に160億ユーロと総額470億ユーロを支出した。経済復興の早期実現を目指し、2021年末までにこれを700億ユーロに引き上げ、2022年はさらに129億ユーロを充てる。

なお、経済復興予算のうち約400億ユーロはEUの復興基金の中核予算「復興レジリエンス・ファシリティー」からの補助金が財源となる。フランスが欧州委員会に提出した復興レジリエンス計画は、EU理事会(閣僚理事会)が7月13日に正式に承認し、フランスは8月19日に欧州委から51億ユーロの前払い分の予算を受け取った。2022年には74億ユーロの補助金が支給される予定だ。

(注)2021年の法人税の基本税率は、売上高が2億5,000万ユーロ未満の企業が26.5%、売上高が2億5,000万ユーロ以上の企業は27.5%。

(山崎あき)

(フランス)

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