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ECDC、ワクチンのブースター接種の緊急の必要性はなしと発表

(EU)

ブリュッセル発

2021年09月03日

EUの専門機関である欧州疾病予防管理センター(ECDC)は9月1日、新型コロナウイルスワクチン接種完了者への「ブースター接種」を行う緊急の必要性はないとする中間報告書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

ECDCは、まず、欧州医薬品庁(EMA)が承認したワクチンの接種完了後に十分な免疫反応を示した一般の接種完了者に対する接種である「ブースター接種」と、免疫機能の低下により標準の回数を接種しても十分な免疫反応が得られていない人に対する「追加接種」を区別すべきとした。その上で、公衆衛生の観点におけるワクチン接種の最も重要な目的は重症化の予防で、この点に関して現状ではEMAが承認したワクチンは有効性や持続期間において高い予防効果を示していることから、ブースター接種を緊急に実施する必要はないとの見解を示した。ただし、免疫不全の患者などに対する追加接種については直ちに検討すべきとした。また、虚弱な高齢者、特に長期介護施設の入居者などに対しても予防的措置として追加接種の検討をすべきとした。

ブースター接種や追加接種に関して、現時点ではEMAはデータの分析段階にあることから、こうした接種は推奨していない。ただし、ECDCの報告書によると、8月26日時点で既にEU加盟国のうち7カ国で追加接種に関する勧告を出しており、11の加盟国で追加接種の実施を検討しているとのこと。フランスでは9月から、65歳以上や新型コロナウイルス感染症の重症化リスクの高い基礎疾患を持つ人などを対象とした追加接種キャンペーンを開始した。また、ジョンソン・エンド・ジョンソン(ヤンセン)の接種完了者を対象にしたmRNAワクチンの接種も開始している。さらに、ドイツでは9月から介護施設入居者や免疫不全疾患症の患者など高リスク者向けに追加接種の実施を開始した。

なお、欧州委員会は追加接種やブースター接種の実施なども念頭にワクチンの確保に動いており、2021年末から2023年にかけての供給に向けた18億回分の追加の購入契約をファイザーと2021年5月に締結するなど、これまでの追加購入分を含め最大で46億回分のワクチンの購入契約を締結済みだ。

成人人口7割のワクチン接種が完了

欧州委は8月31日、当初より目標としていた「夏の終わり」までのEU域内の成人人口の7割のワクチン接種(2021年1月25日記事参照)が完了したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ECDCによると、9月2日時点での成人人口(18歳以上)の接種完了率は、アイルランドで88.2%、デンマークで83.5%、ベルギーで83.3%と高い一方、ブルガリアで20.3%、ルーマニアで32.3%、ラトビアで46.4%と一部の加盟国では接種率が伸び悩んでいることから、欧州委はこうした加盟国を中心に引き続き支援を続けていくとした。

(吉沼啓介)

(EU)

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