中央準備銀行、政策金利を1.00%に引き上げ
(ペルー)
リマ発
2021年09月15日
ペルー中央準備銀行(BCR)は9月9日、政策金利を0.5ポイント引き上げ、1.00%にすると発表した。2カ月連続となる引き上げの背景には、前回同様に依然として収まらないインフレ率の上昇がある(2021年8月18日記事参照)。また、BCRは今回の決定について以下を考慮したとしている。
- 食料や原油の価格の国際的な高騰、為替の下落などにより直近12カ月間累計のインフレ率が7月の3.81%から8月には4.95%に上昇し、一時的に目標値(1~3%)を上回った。なお、食品とエネルギーを除く8月のインフレ率は2.39%と目標値内に収まっている。
- 今回のインフレ率上昇が為替の下落や国際穀物や原油価格の高騰など一過性の要因であるため、BCRはこの先1年以内にインフレ率は目標値内に収まると予測し、その先も同水準を維持すると見込んでいる。
- この先12カ月間の累計インフレ率の見通しが7月の3.0%から8月には3.1%となり、目標値をわずかに超えている。
- 8月の経済評価指標の多くが悪化し、依然悲観的レベルにある。
- 世界的な新型コロナウイルスのワクチン接種と先進国での財政刺激策が進むにつれ、今後さらに国際的な経済活動の回復が期待される。
今回のBCR政策金利の引き上げについては、多くのエコノミストが予測していた。また、内需への影響によりもたらされるインフレ抑制効果以外にも、現状の政治不安の中でBCRの独立性が担保されているという肯定的なメッセージ効果もあると指摘する声も出ている。次回のBCR金融政策決定会合は10月7日を予定している。
(設楽隆裕)
(ペルー)
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