「第18回中国西部国際博覧会」が成都で開催

(中国)

成都発

2021年09月28日

四川省成都市で9月16~20日に、第18回中国西部国際博覧会(以下、西部博)が開催された。西部博は中国西南地域では最大規模の総合見本市で、通常2年に1度開催されるが、2020年は新型コロナウイルスの影響を受けて開催中止となり、今回は3年ぶりの開催となった。ジェトロは前回に引き続き、中国での内販拡大に意欲のある企業を支援するため、ジャパンパビリオンを設けた。

「新型コロナ禍」における西南地域と沿岸部の経済交流深化の重要性

今回の西部博のテーマは「中国の新たな時代、西南地域の新たなチャンス」。初日の開幕式には胡春華副首相が登壇し、「新型コロナウイルス感染拡大以降、中国は海外との経済交流が制限される中、国内市場を再重視する『国内大循環』を発展戦略として掲げた。当戦略を推進していくためには、四川省をはじめ西南地域が沿岸部都市との経済交流をさらに深化させることがカギとなる。西部博はそのよい事例になる」と語り、『新型コロナ禍』における西南地域の役割に期待を示した。今回の西部博への出展数は4,015社・団体。新型コロナウイルス感染拡大による移動制限などの影響から、海外勢は日本、シンガポール、香港、タイ、チェコなどから104社・団体に限られた。来場者数は5日間で約12万7,000人が来場した。

ジャパンパビリオンには、中国沿岸部に代理店を持ち、西南地域に販路拡大を目指す日本の企業や自治体計15社・団体が出展。食品、酒類、工芸品、キッチン用品などのPR・商談を行った。西部博に初めて出展した企業に話を聞くと、「成都に初めて来たが、かなり強い購買力を感じることができ、上海などの沿岸部並みに大きい市場であることがわかった。今後は西南地域でのビジネスも拡大していきたい」とし、来場したバイヤーからは「成都でまだ流通していない珍しい日本産品を多数調達することができた」などの声が聞かれた。西南地域と沿岸部は、同じ中国国内であっても異なる市場が築かれており、流通している日本産商品にも差がある。中国で活動する日系企業は、北京や上海を中心とした沿岸分に拠点を持つ企業が多いが、近年は成都をはじめとする西南地域での新たなビジネスチャンスを模索する企業が増えている。

写真 開会式での胡春華副総理の挨拶(ジェトロ撮影)

開会式での胡春華副総理の挨拶(ジェトロ撮影)

写真 ジャパンパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

(寺田俊作)

(中国)

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