第2四半期GDP成長率は前期比2.1%、経済は新型コロナ禍前の水準に回復

(ポーランド)

ワルシャワ発

2021年09月08日

ポーランド中央統計局(GUS)は8月31日、2021年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率(季節調整済み)を前期比2.1%と発表した。第1四半期(1~3月)の1.3%(2021年6月7日記事参照)からさらに成長が加速した。前年同期比では11.0%だった(添付資料表参照)。なお、前期比については8月13日発表の速報値の1.9%から0.2ポイント、前年同期比は速報値の10.7%から0.3ポイント、それぞれ上方修正した。

需要項目別にみると、国内需要は前期比1.0%増で、4四半期連続でプラス成長となり、GDP全体を押し上げた。特に、個人消費が2.7%増で、第1四半期の1.4%増から1.3ポイント上昇し、2四半期連続のプラス成長だった。一方、総資本形成は8.9%減、総固定資本形成は10.8%減と大幅に落ち込んだ。輸出は2.4%増を記録し、第1四半期の0.1%減から回復した。

産業別にみると、多くの産業が前期比で改善し、製造業が前期比2.5%増、建設業が3.9%増、運輸倉庫業が1.7%増と好調だった。中でも宿泊業・飲食業は、2020年第4四半期(10~12月)が56.1%減、2021年第1四半期が22.5%減と2四半期連続で大幅に低下したが、5月以降のホテルや飲食店の営業再開によって、第2四半期は9.0%増と上昇し、回復に向かった。

PKO銀行のエコノミストは今回の発表に対して、第2四半期の実質GDP成長率は経済見通しを超えており、ポーランド経済は「新型コロナ禍」以前の水準に回復したとみている。また、GDP成長率が前期比で伸長した要因は、行動制限措置の緩和に伴う消費活性化の影響としている。さらに、行動制限措置による消費控えの結果、個人貯蓄が増加したことや、国内の労働市場が安定していることによって、2021年後半も個人消費がGDP成長率を押し上げ続けると予想している。なお、ポーランド国立銀行(NBP)は2021年のGDP成長率を5.0%と見込んでいる。

(ニーナ・ルッベ)

(ポーランド)

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