バイデン米政権、2022年度本予算成立までのつなぎ予算の編成を議会に要請

(米国)

ニューヨーク発

2021年09月08日

米国行政管理予算局(OMB)は9月7日、10月から2022会計年度(2021年10月~2022年9月)を迎えるに当たり、本予算成立までの間の最低限必要な財政需要を賄う、つなぎ予算を編成・承認するよう議会に求めていることを明らかにした。声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、「年度末が迫っており、2022年度予算案の十分な審議時間を確保するためには、短期のつなぎ予算を承認する必要があることは明白だ」と、その必要性に言及した。

米国では、つなぎ予算を含め予算編成権は議会が持つが、OMBはつなぎ予算において、自然災害に対応するための費用として140億ドル以上が必要とし、特にハリケーン「アイダ」の被害対応にはさらに少なくとも100億ドルが必要としている。加えて、アフガニスタンからの避難民支援や同盟国支援などのための費用として64億ドルを含めるよう求めるとともに、これら以外の歳出においても今後の公共サービスの混乱を回避するために、前年以上の規模でつなぎ予算を確保すべき、としている

OMBは既に、2022年度の予算案を含む予算教書を議会に提出している(2021年6月3日記事参照)。しかし、下院では既に上院で可決された超党派インフラ法案、上院では民主党提案の3兆5,000億ドル規模の投資計画の予算編成作業がそれぞれ進められており、超党派インフラ法案は下院で9月27日までの採決が見込まれているものの(2021年8月26日記事参照)、3兆5,000億ドル規模の投資計画についてはまだ具体的な成立な見通しが立っていない。2022年度本予算は両計画を踏まえたものにする必要があり、今後の議会での作業を考えると、つなぎ予算の作成は避けられないとOMBは判断したかたちだ。つなぎ予算がいつまでを想定したものになるかは、声明では言及されておらず、両計画や2022年度本予算の成立見込み時期に左右される。なお、2021年度の本予算は2020年12月21日に可決されており(2020年12月24日記事参照)、今後の動きが注目されるところだ。

(宮野慶太)

(米国)

ビジネス短信 15c4d80cdc58e53c