欧州プラスチック業界、包装の再生材料30%含有の義務化提言

(EU)

ブリュッセル発

2021年09月10日

欧州委員会は「欧州グリーン・ディール」の関連政策として2020年3月に発表した新たな「循環型経済行動計画」(2020年3月17日記事参照)で、「包装と包装廃棄物に関する指令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を見直し、包装、建設資材、自動車といった主要なプラスチック製品について、再生材料の含有量の必須要件を提案するとしている。欧州委はその内容を2021年第4四半期(10~12月)に発表する予定だが、それに先立ち、欧州のプラスチック産業団体プラスチックス・ヨーロッパは9月9日、欧州委の方針を歓迎し、EUレベルで2030年までにプラスチック包装の再生材料の含有率を30%とすることを義務付けるべきだと提言した。プラスチックス・ヨーロッパのマルクス・シュタイレマン代表〔ドイツのコベストロCEO(最高経営責任者)〕は30%という目標提示は「循環型経済への移行を加速させ、『欧州グリーン・ディール』や『循環型経済行動計画』の実施に貢献するという業界の誓約を示すものだ」とした。

目標達成や投資の拡大に官民の協調的な協力必要と主張

プラスチックス・ヨーロッパ会員企業は既に「再生材料を30%含有する」という目標に向けて、再生プラスチックの供給量増加や最先端の技術ソリューションに投資している。目標達成には特にケミカル・リサイクル(注1)のより一層の普及が必須で、欧州でのケミカル・リサイクル関連技術やインフラへの投資は2025年までに約26億ユーロ、2030年までには72億ユーロまで拡大すると予定だとしている。また、新しいアイデア、行動変化、より高性能の製品、エコデザイン関連のイノベーションといった変革が求められるとも述べた。さらに、再生材料がメカニカル・リサイクル(注2)とケミカル・リサイクルを含む特定の技術に依拠しない方法を用いて、あらゆる廃棄物から生成されることを確保する必要があると指摘した。信用できるマスバランス(注3)方式も必要とし、再生材料のトレーサビリティーの重要性も強調した。

その上で、廃棄物回収・分別・リサイクル関連のインフラや技術へのさらなる投資に対して確実性やインセンティブを与えるEUレベルの政策枠組みと単一市場の活用を訴えた。「30%含有」目標の達成には、プラスチックス・ヨーロッパも参加するEUの「循環型プラスチック同盟外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」に代表されるようなEU機関と業界の協調的な協力が必要不可欠であり、適切な条件で制度変更が行われれば、プラスチック業界は今後10年間で大きく変容すると述べている。

(注1)廃プラスチックを化学的に分解し、化学製品の原料として再利用すること。

(注2)廃プラスチックを粉砕、洗浄し、高温で溶融・減圧・ろ過などを行ってリサイクルすること。

(注3)プラスチックス・ヨーロッパは「原材料の投入から製品の生産、最終製品の生産者までのバリューチェーンのトレーサビリティーを可能にする一連のルール」と定義している。

(滝澤祥子)

(EU)

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