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トカエフ大統領、原子力発電所の必要性強調

(カザフスタン)

タシケント発

2021年09月13日

カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領は9月1日に行った教書演説で、原子力の平和的利用と原子力発電所建設の必要性を強調し、政府は国家福祉基金「サムルク・カズィナ」とともに、原子力エネルギーを開発する可能性を探求するとした(大統領府ウェブサイト9月1日)。

同国では、人口増加と経済成長による電力需要の高まりを受け、2030年までに電力不足が生じると懸念されている。国内の発電所の主力は石炭火力だが、老朽化も進んでおり、脱炭素化社会に向けた発電所の改修・新設は急務だ。エネルギー省は石炭火力発電所のガス化や、熱効率の高いコンバインド・サイクル・ガスタービン(CCGT)の設置によるクリーン化を図り、水素エネルギーや原子力エネルギーの開発も並行して進める(カザフスタン首相公式Youtubeチャンネル9月2日)。

原子力発電所については、ソ連時代にカザフスタン西部のマンギスタウ州に建設されたが、老朽化のため1999年に運転を停止した。政府は新たな原子力発電所の建設を計画し、2014年にはアルマトイ州バルハシ湖畔を建設用地に指定。ロシアをはじめ、日本、韓国、フランスが原子炉建設に名乗りを上げたが、当時のカナト・ボズィムバエフ・エネルギー相が2016年11月に突如、電力余剰を理由に少なくとも2023年までは原子力発電所建設を凍結すると発表した。その後、トカエフ大統領就任後の2019年、ロシアから建設協力を再度提示されたという情報がある(テングリニュース9月8日)。

カザフスタンでは、ソ連時代に国内北東部にあるセミパラチンスク核実験場で450回を超える核実験が行われ、国土に多大な放射線の被害を被ったことから、国民の間で核エネルギーへの不信感は根強い。しかし、燃料の国内調達が可能で建設・運用の費用対効果も高いことから、電力不足と環境問題を解決する切り札として、政府は原子力発電所に期待を寄せている。

(増島繁延)

(カザフスタン)

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