欧州委、「EUデジタルCOVID証明書」システムにトルコのワクチン証明書の追加承認

(トルコ、EU、欧州)

イスタンブール発

2021年08月23日

欧州委員会は8月19日、7月に運用が始まった新型コロナウイルスのワクチン接種などの証明書に関するEU共通の枠組み「EUデジタルCOVID証明書」(2021年7月2日記事参照)とトルコの「COVID-19ワクチン証明書」の条件との同等性を承認し、トルコをEUデジタルCOVID証明書システムに追加すると発表した。この措置は翌20日に発効した。欧州委員会は同日、ウクライナと北マケドニアのCOVID証明書にも同様の措置を適用するとした。

この措置により、トルコ国民もトルコ政府が発行するワクチン証明書を活用することで、EU域内移動時の検査や自主隔離などが免除される。ただし、EUは加盟国ごとに入国の条件とするワクチンを定めている。トルコでは、中国シノバック製と、米国ファイザー・ドイツのビオンテック(以下、ファイザー)製のワクチンを接種しているが、シノバック製ワクチンがEU加盟国の大部分で認定されていないことから、同ワクチン接種を受けたトルコ人のEU加盟国への入国は困難となっている。

ファイザー製ワクチンの認定国のほうが多いことから、トルコ保健省はデルタ株など変異株への感染予防の目的で、シノバック製ワクチンを2回接種した国民に対してファイザー製ワクチンの3回目のブースター接種を開始した。さらにEUなどへ渡航予定のある希望者には、4回目のファイザー製ワクチンの接種も提供し始めている。

(エライ・バシュ)

(トルコ、EU、欧州)

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